研究課題/領域番号 |
21K17248
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 典子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30736632)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 実装の科学 / 診療ガイドライン / 理論的枠組み / 活用ツール / 情報基盤構築 |
研究実績の概要 |
本研究は、世界レベルで散在して活用しにくい実装科学の膨大な知見を日本の医療現場で応用できるよう、診療ガイドラインの推奨を実践するために有用な情報基盤を構築することを目的とする。 具体的には、GIN会員活動等をもとに海外政府関連医療サービス機関(SIGN、NICE、世界保健機関等)や実装の科学関連学会等で公開されている基礎理論・方法論や活用ツールを収集・整理し(2021年度)、ポータルサイトを構築した。2022年度にパイロット版を、2023年度に完成版を公開し、随時更新している。 また、医療における高齢者の経済的保護に係わる調査研究データを用いてBehaviour Change Wheelフレームワークの重要性を明らかにし、GIN学会で発表(2022年度)を、また関連して複数編の論文等の執筆を行った(2023年度)。 診療ガイドライン関係者の教育に関しては、McMaster大学INGUIDE(e-learning)により最新の知見を得るとともに、国内向けにはCOVID-19感染症により整備が進んだLiving guideline活用の最新の動きについて、日本医療機能評価機構マインズでの診療ガイドライン作成者・初学者向けの学習教材(導入編)の中で紹介した。(2023年度3月一般公開、https://minds.jcqhc.or.jp/methods/training-materials/introduction/)。 さらに国内における医療関連各種学会への参加を通じて、幅広い診療領域における診療ガイドラインの作成・更新・活用状況について現状把握、課題の検討等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ポータルサイトの構築は完成し、維持段階である。また学会発表および論文執筆等も比較的順調に進んできたが、Behaviour Change Wheelフレームワークを応用した論文が未完成であり延長申請を行った。
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今後の研究の推進方策 |
実装フレームワークのひとつであるBehaviour Change Wheelを活用する意義を検討した論文を完成し、国際誌へ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ポータルサイト構築のために当初予定していたTA等による支援によらずに情報収集が充足した一方で、研究を進める中で論文執筆のテーマを2つに分けざるを得ず、人件費(予定)をその他経費(2本目の国際誌投稿、オープンアクセスなどの関連費用等)に振り替えて使用する計画とし、2024年度に持ち越した。
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