研究課題/領域番号 |
21K17255
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
藤堂 真紀 埼玉医科大学, 国際医療センター, 薬剤師 (40859922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 病院薬剤師 / 地域薬局薬剤師 / がん患者支援アプリ / 協働モニタリング / 地域医療連携 / システム / 乳癌 |
研究実績の概要 |
2021年度は、本研究の3つの目的のうち、「目的 1:病院薬剤師と地域薬局薬剤師が協働する上での問題点・課題の抽出」、「目的 2:得られた問題点の解決方法を提案し、小規模患者による運用」を実施した。目的1では、申請者と地域の保険薬局薬剤師とで意見交換を行い、病院の薬剤師外来の薬剤師と薬局薬剤師が協働する上での問題点・課題をアンケート調査で抽出することを実施した。地域の保険薬局は、門前薬局(当院の周辺4店舗)に限定し研究を運用するため、運用マニュアルを作成した。地域の保険薬局とは共同研究契約を締結した。アンケート調査での問題点は、病院薬剤師・地域薬局薬剤師の両者において、実際に患者と面談する時以外でモニタリングをする際に、電話でのフォローアップを実施しているが、電話を患者にかけるという行為の負担が大きい傾向があり、その電話においては患者の症状の詳細がわからないため困ることがあること、電話そのものが患者につながらないことがあること、薬局薬剤師が患者に対して電話で確認した内容を、病院へ報告するためのレポート作成に時間を要すること、薬局薬剤師から病院内の薬剤師外来の薬剤師へ電話をかけるタイミングがわからないこと、躊躇があること等があげられた。病院薬剤師・薬局薬剤師両者において、在宅中の患者の状態がわからないことに対する不安は大きいことも確認された。目的2は、目的1で得られた問題点の解決につながるよう、がん患者支援アプリを用いた小規模乳癌患者の協働モニタリングの運用を開始することであったため、実際に運用を開始した。同意が得られた患者に対して、患者自己のスマートフォンにアプリを導入した。薬剤師の対応は運用マニュアルに基づき、患者教育を行っている。現在3名の患者が登録され、運用を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
院内の倫理委員会が一度承認されたが、承認後に当院と地域の保険薬局とで共同研究契約を締結する必要があった。当院の周辺の薬局4店舗との共同研究契約の締結完了までに時間を要した。そのため、2021年度の研究の開始が遅れたためである。研究は開始されたが、遅れている状態である。また対象の薬物療法レジメンが非常に高い頻度で実施されるわけではないため、症例の登録にはやや時間を要していることも理由の一つである。
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今後の研究の推進方策 |
目的1は終了し、現在その結果に基づき、目的2を既に実施している。その後「目的3:システム構築後の患者、薬剤師、医師における効果を証明する」を実施する方向である。対象症例の登録が進むように、当院の乳癌患者の診療に対応する主治医(研究実施者)が参加する診療科カンファレンスにも参加し、研究内容を説明してさらなる呼びかけを行う。それらを通じて症例をさらに登録し、目的3を継続して実施して、計画通りに結果をまとめられるように努める方向である。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的1、目的2の結果より、アプリの改良費および、謝礼(Quoカード)に使用予定である。
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