研究課題/領域番号 |
21K17260
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
上田 昌宏 摂南大学, 薬学部, 助教 (80846353)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フォーミュラリー / EBM / 薬学教育 / 医薬品情報学 / 薬剤師 |
研究実績の概要 |
研究初年度の目的は、薬学生を対象としたオンラインでの薬剤フォーミュラリー策定を目指した学習プログラムを実施し、受講生は薬剤フォーミュラリー策定を疑似体験したことによる教育効果を測定、検証することにある。また、本プログラムの改善点を抽出し、次年度に向けた方略の修正、卒後教育に応用する準備を行うことにある。 実施した学習プログラムは、薬剤フォーミュラリーの策定を実際に行う内容である。同一薬効群の薬剤を1人1薬剤担当し、情報収集を行う個人ワークとそれぞれの薬剤担当者が議論した上で薬剤を順位付けするグループワークで構成した。研究計画の段階では、医学論文を含めた情報の検索と評価を行い、薬剤フォーミュラリーを策定する予定であったが、医学論文を検索、検討するには十分な時間を確保できなかった。そのため、これまでの学部教育で使用経験のある添付文書とインタビューフォームから薬剤パラメーターを収集し、メンバー間で各薬剤の情報共有を行った後に、薬剤順位を決定した。オンラインでのプロダクト作成が難航する可能性があったが、オンラインで使用可能な共同編集機能を用いることで、滞りなく作成を完了した。また、各グループが策定した薬剤フォーミュラリーの決定理由などの情報共有においても、オンライン会議の既存の機能を用いることで可能であった。オンラインで実施可能であったことから、他大学での導入が可能と考える。 教育効果の測定のために、本プログラム終了後に理解度確認試験とアンケート調査を実施した。その結果、受講生は論文評価能力が向上し、フォーミュラリー策定する意義を強く認識したことが明らかになった。一方で医学論文の調査、評価した内容を薬剤フォーミュラリーに反映させることができなかった。次年度は、本プログラムに医学論文の検討を含む内容に修正を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた学習プログラムをオンラインで問題なく実施できた。予定していた医学論文の検索と評価を本プログラムで十分に行うことができなかったが、事前学習などを活用することで次年度に対応可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
課題である医学論文の検索、評価について、事前学習で学習しスキルの向上を図る。検索時間がない場合、指定論文を配布し論文を評価した上で薬剤フォーミュラリ―を策定するような学習プログラムに変更する。多施設での導入を試みるとともに、ジグソー法を導入し、より高度な各薬剤の評価を行った上で薬剤フォーミュラリ―策定を行えるプログラムを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は簡単なデータ処理しか行わず、高度な計算や解析といったデータ処理に必要な物品を購入しなかったために次年度使用額が生じた。次年度から他大学や前年度との教育効果の比較を行うため複雑なデータ解析が必要なため、残予算を物品購入で使用する予定にしている。
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