研究課題/領域番号 |
21K17278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 修文大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆佳 修文大学, 医療科学部, 准教授 (80757740)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 含鉄小体 / 石綿 / 位相差顕微鏡 / 曝露評価 |
研究成果の概要 |
石綿関連疾病の診断や石綿繊維を含む無機繊維の曝露の証明には、位相差顕微鏡による含鉄小体の計測が日常検査として選択されている。しかし、観察される含鉄小体の形状には特徴があるにも関わらず、形状の持つ意味についてはこれまで検討されていない。本研究では、含鉄小体の形状別濃度と無機繊維の種類別濃度の関係を解析し、含鉄小体の形状から無機繊維の種類を推定可能か検討した。含鉄小体の形状は、亜鈴型、団子・数珠型、平滑被覆型、屈曲型、複合型の5種類に分類した。団子・数珠型及び平滑被覆型の濃度が角閃石系石綿濃度と有意な相関を示したことから、これらの形状の含鉄小体濃度が角閃石系石綿を反映している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
産業衛生
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
石綿曝露を正確に評価するためには、分析電子顕微鏡による無機繊維の計測が必要となるが、高価な装置なため、限られた施設でしか測定できない。そのため医療機関等での石綿曝露評価法としては、比較的安価で検査可能な位相差顕微鏡を用いた含鉄小体の計測が用いられている。本研究の結果は、分析電子顕微鏡でしか特定できない無機繊維の種類を、含鉄小体の形状から推定できる可能性を示唆しており、位相差顕微鏡による石綿曝露評価の信頼性の向上に寄与するものと考える。また、分析電子顕微鏡による詳細な分析が必要となる症例を位相差顕微鏡法で選別できる可能性が高まり、より正確な石綿曝露評価につなげることができる可能性を見出した。
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