研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症拡大以前(2019年)に実施した調査(日本老年学的評価研究(JAGES))をベースに3年間の追跡調査を行った。 1.2019年、2020年調査を用い、新型コロナ感染症流行前後で対面、オンラインでの社会活動や人との交流はどの程度減少したか(課題1、2)、オンラインコミュニケーションが対面交流の代替手段としてうつ症状悪化を緩和するかを検証した(課題3)。対面交流のうつ症状軽減効果が示唆されると同時に(対面交流増加群のリスク比: 0.84 [95%信頼区間0.77, 0.91])、オンラインコミュニケーションの中では特にビデオ通話でうつ症状軽減効果の可能性が示唆された(ビデオ通話の頻度増加群のリスク比: 0.89 [95%信頼区間0.79-1.01])。一方で、音声通話ではそのような傾向は見られなかった。本研究はSocial Science and Medicineに受理され公開されている(https://doi.org/10.1016/j.socscimed.2023.115777)。 2. 2013, 2016, 2019年度調査を用い、インターネット利用と健康・ウェルビーイングとの関連を網羅的に評価した(課題4)。本研究はComputers in Human Behaviorに受理され公開された(https://10.1016/j.chb.2021.107156)。 以下2023年度実績 3. 2019年、2022年調査を用い、インターネット利用やオンラインでの交流の開始を阻害する要因を検証し、日本社会関係学会で発表、現在論文投稿中である。 4. オンラインでの交流が認知症発症予防に有効か(課題4)を2019年、2022年調査を用い検証したが追跡期間が短く有意な結果が得られなかった。現在2016年、2022年調査を用い解析、論文投稿準備を進めている。
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