研究課題/領域番号 |
21K17304
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上野 史彦 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (40846789)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児感染症 / 重症化因子 / 予後 / ゲノム / GWAS解析 |
研究実績の概要 |
小児の呼吸器感染症や下痢性感染症は重症化し入院治療を必要とする場合もあれば軽症の場合もある。感染症の重症化のリスク因子はこれまでもいくつか報告されているが、実際に入院を要した小児はこれら既知のリスク因子を持たない場合もある。入院した小児の大多数はいわゆる健常児であり重症化の原因は宿主側のゲノムを含めて未だ不明のままであり、また、小児における感染症重症化の予後についても十分に明らかとなっていない。本研究の目的は東北メディカル・メガバンク計画の三世代コホート調査を基盤とした、2歳未満の小児における種々の感染症のアドオンコホートを構築し、入院を要した感染症の表現型を精緻に分類した上で感染症の重症化に関連する因子を明らかにし、2歳未満の入院を要した感染症がその後の喘鳴、アトピー性皮膚炎、発達とどのように関連しているか明らかにすることである。 2021年度には研究計画に関して倫理審査委員会の承認を得、調査に関する情報公開文書の公表、2歳までに感染症で入院した児の選定と入院先の医療機関へお送りする調査票を作成し、調査票調査の準備を行った。各医療機関へ調査票をお送りし、調査を実施する予定であった。 2022年1月頃の新型コロナウイルス感染症の急速な蔓延(第6波)と調査票調査の送付予定時期がほぼ一致しており、医療機関への負担回避を優先にし、調査票の送付を延期した。新型コロナウイルス感染症はその後も蔓延が継続し、2021年度中の再開には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年1月頃に各医療機関宛ての調査票調査の実施を予定していたが、第6波の新型コロナウイルスの新規感染者数の増加によって、医療機関における医療従事者の業務負担が急激に増大した。調査票調査への回答率低下を避けるため、調査票の発送を延期したことにより、計画の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの新規感染者数の増加のピークを過ぎた後、影響が縮小した時期を見計らい、医療機関への調査票調査を実施する。また、調査票の質問内容を精査し、回答方法を簡略にすることで、調査票調査へ回答の負担を軽減する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により、調査票調査を延期したため、発送費用と謝礼として助成金を使用しなかった。2022年度には2021年度に予定していた分と併せた調査票調査の実施を計画していている。
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