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2023 年度 実施状況報告書

脂質摂取及び脂質代謝異常を反映する血中リピドームの疫学的探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K17306
研究機関群馬大学

研究代表者

岡見 雪子  群馬大学, 食健康科学教育研究センター, 講師 (60591401)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード栄養疫学 / 国際共同研究 / リピドーム / 脂質代謝 / メタボロ―ム
研究実績の概要

本研究は、平成29年度科研費基盤(A)「血液および尿のメタボローム解析と食習慣と血圧との相互関係に関する疫学研究(研究代表者 上島 弘嗣)」の付随課題である。INTERMAP研究では4か国17集団、40-59歳男女4,680人に、4日間の24時間思い出し法による栄養調査、2日間の24時間蓄尿、8回の血圧測定、質問紙調査等を実施した(Stamler J, et al. J Hum Hypertens 2003.)。加えて、日本とハワイ在住日系米人の5集団(1,412人)では血液が保存されている(INTERLIPID研究)。これを用いて血液中のメタボローム・リピドーム解析を行い、尿中のメタボローム、栄養調査等と合わせ、食・生活習慣や栄養素摂取量を反映するメタボローム・リピドームを探索する。
University of Hawaiiで冷凍保存された計1412人の血清検体を英国Imperial College Londonへ空輸し、The National Phenome Centreにて代謝物測定を実施した。約1400血清検体について、核磁気共鳴分光法(NMR)による測定を終え、血清中の低分子化合物(アミノ酸等)25種およびリピドーム関連指標112種が定量された。また、2020年末からImperial College Londonにて超高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)を用いた質量分析が実施された。COVID-19の影響によりロンドンでの測定および同定作業に遅れが生じたが、2021年4月に同定された追加の50代謝産物を得た。INTERMAP Studyデータベースとメタボローム・リピドームデータを突合した。2021年は、日本人と日系米人の血清代謝物の比較検討および魚関連代謝物とメタボリックシンドロームとの関連について国際学会発表を行い、前者について2023年度に論文発表した。現在、後者について論文投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

University of HawaiiからImperial College Londonへの空輸は当初予定より遅れた。到着後はImperial College LondonでのNMR分析は予定通り順調に進んだ。血清中の低分子化合物(アミノ酸等)25種およびリピドーム関連指標112種が定量された。しかし、COVID-19の影響により、引き続きImperial CollegeLondonにて実施される予定であったLC-MS測定の実施に遅れが生じた。データは納品されたが、代謝物同定作業が未実施であった。その後追加の同定作業を行われたが、COVID-19渦での先方での人事異動および予算上の都合により50種のみの同定となったことが想定外であった。これらの同定済み代謝産物とINTERMAP/INTERLIPIDデータベースとの突合作業およびデータクリーニング作業を実施した。2021年は国際会議で、日本人と日系米人の血清代謝物の比較検討および魚関連代謝物とメタボリックシンドロームとの関連について学会発表を行った。2023年度にはぞの前者の論文公表ができ、現在後者について論文投稿中である。

今後の研究の推進方策

上記の課題以外の課題を新たに設定して学会・論文発表していくことが今後の課題である。
現状、NMR測定データを中心としてまとめているため、新たにLC-MSにより同定された代謝物も加味した新たな解析を考える。次年度は特に脂質摂取および脂質代謝異常、肥満に関連するリピドームに焦点を当てて解析を行う。また、INTERMAP/INTERLIPIDには非常に精度の高い栄養素データ、24時間蓄尿データ、血圧測定データなどがあるため、それらを活用した新たな課題も検討していく。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は産休・育休であったため((F-13-2)「産前産後の休暇、育児休業の取得又は海外における研究滞在等に伴う補助事業期間延長承認申請書」は提出済)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Imperial College London(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Imperial College London
  • [国際共同研究] University of Reading(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Reading
  • [国際共同研究] University of Hawaii(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Hawaii
  • [雑誌論文] Small High-Density Lipoprotein and Omega-3 Fatty Acid Intake Differentiates Japanese and Japanese-Americans: The INTERLIPID Study2023

    • 著者名/発表者名
      Okami Yukiko、Chan Queenie、Miura Katsuyuki、Kadota Aya、Elliott Paul、Masaki Kamal、Okayama Akira、Okuda Nagako、Yoshita Katsushi、Miyagawa Naoko、Okamura Tomonori、Sakata Kiyomi、Saitoh Shigeyuki、Sakurai Masaru、Nakagawa Hideaki、Stamler (deceased) Jeremiah、Ueshima Hirotsugu
    • 雑誌名

      Journal of Atherosclerosis and Thrombosis

      巻: 30 ページ: 884~906

    • DOI

      10.5551/jat.63762

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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