研究課題
ドライアイは世界で10億人以上が罹患する最も多い眼疾患であるが、根治療法は存在せず、生涯にわたって生活の質を低下させる。そのため、ドライアイの発症や重症化を未然に防ぐ予防医療や個別化医療が重要である。その症状は、乾燥感のみならず、羞明、眼精疲労、視力の低下等多岐にわたる。また、ドライアイの原因は環境因子、生活習慣、宿主因子等が複合的に関連するため、これらの情報を包括的に収集し、診療に役立てることが難しかった。そこで本研究は、独自に開発したスマートフォンアプリケーション(スマホアプリ)を活用し、ドライアイの個々人の多様な症状や原因ならびに生体データを包括的に収集、人工知能 (AI)によるデータ駆動型解析を実施する。2021年度は、ドライアイ用スマホアプリを用いたクラウド型大規模臨床研究を実施し、ドライアイに関する個別医療ビッグデータを収集した。収集したデータは、研究参加者基本情報、地図情報、病歴、生活習慣に関する質問、ドライアイ疾患特異的質問紙票(Ocular Surface Disease Index)等である。2022年度はスマホアプリから得た医療ビッグデータを解析し、個々人のドライアイの自覚症状とそれに伴う疾患活動性や生活満足度、生活実態等を層別化した。さらに、層別化されたドライアイの多様な自覚症状の各クラスターの特徴の解明した。これにより、個々人のドライアイ症状と日常生活圏と密接に関連したドライアイに関する医療ビッグデータの継続収集が可能となる。2023年度は層別化されたクラスターに対し、個々人のドライアイ症状とそれに伴う疾患活動性や生活満足度、生活実態等を解明した。各クラスターの特徴は、非ドライアイ群 (J-OSDI<13)に対する多変量ロジスティック解析を実施し算出した。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
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