研究課題
家庭血圧測定用のスマートフォンアプリケーションを開発した。アプリケーションには測定予定日時に通知する機能、高血圧治療ガイドライン2019に従った標準的測定法を解説したビデオ、血圧値と脈拍及びそれらに影響を及ぼす生活行動を記録する機能、測定後に高血圧分類を判定する機能をつけた。開発においては、医療資格保有者、非保有者で試験的に使用し、使用感や機能の確認を行い、申請時よりも多くの機能をつけた。予算の関係上、アプリケーションはiOSのみである。年度末よりアップルストアに公開する準備に入った。また、以下の通り、既存の疫学研究データを用いて分析し、論文化した。地域住民を対象とするコホート研究(大迫研究)の追跡調査(1997年~2019年)において家庭血圧測定と経口ブドウ糖負荷試験を同年に受検した35歳以上の男女646名(高血圧、糖尿病ともに未治療)を対象とし、家庭血圧(朝および就寝前)と診察室血圧で分類した孤立性収縮期高血圧、孤立性拡張期高血圧、収縮期拡張期高血圧に該当する者の耐糖能の特徴を横断的に分析した。結果、正常血圧の者と比較し、就寝前血圧が孤立性収縮期血圧に該当した者はインスリン抵抗性が強く糖負荷後血糖が高く、また診察室血圧が収縮期拡張期高血圧に該当した者はインスリン抵抗性が強く空腹時と糖負荷後とも血糖が高いことが明らかになった。本研究はJournal of Hypertensionに受理された。
2: おおむね順調に進展している
2021年度の計画はアプリケーション開発であり、達成したため。
開発したアプリケーションを用いて、職域集団を対象に効果検証を行う。職域健康診断時に、未治療で高値血圧以上である者を対象にアプリケーションを配布し、その後の家庭血圧測定状況、医療機関受信状況、1年後の健康診断での血圧値を観察する。
新型コロナウイルス流行に伴い、出張を伴う打ち合わせが次年度に延期されたため。
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Journal of Hypertension
巻: 40 ページ: 862~869
10.1097/HJH.0000000000003087
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American Journal of Hypertension
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