研究課題
<スマートフォンアプリケーション>2021年度に開発した家庭血圧測定のアプリケーションをApple Storeに非公開アプリとしてリリースした。非公開の設定はAppleが最近設けた方法で、ダイレクトリンクを知っている者のみがアクセスし、ダウンロードすることができる方法で、一般にApple Storeで検索してもヒットしない。リリースに向けては、まずは研究代表者所属大学内で調整を行い、大学名でのDeveloper申請を行った。これにより、一般個人が開発しアプリではなく、大学がリリースしたアプリとなる。また、毎年秋のiOS更新に伴うアプリの改修を行った。Appleの申請に際しては、ヘルスケア関連のアプリに要求される倫理的事項をクリアするために、アプリの改修や必要書類の作成を行った。<アプリを用いた研究の計画書作成>職域健康診断でアプリの効果検証を行うために、調査フィールドと調整、会議を行い、研究計画書を作成し、研究代表者所属大学にて倫理申請を行った。<大規模データを用いた疫学研究>アプリの効果検証を行う調査フィールドを対象に、職域健康診断と診療情報明細書データを用いて、服薬開始時期(服薬開始1年未満)と服薬継続時期(1年以上服薬)における家庭血圧測定実施と血圧コントロールの関連を検討した。服薬開始時期では、有意ではなかったものの(P=0.10)、家庭血圧を実施していない者と比較して実施している者における血圧コントロール良好に対するオッズ比は1.70であった(降圧剤数調整済み)。服薬継続時期ではオッズ比1.31であった(P=0.24)。また、コホート研究の大迫研究より家庭血圧に関する分析を行った。
3: やや遅れている
スマートフォンアプリケーションの効果検証は2022年度に行う予定であったが、準備のみに終わり実施できなかった。理由として、研究代表者所属機関において、教員が公的研究費でアプリケーションを作成した際の公式な取り扱いの規定がなかったため、機関内での規定作成から始める必要であったことがある。これに約1年を要した。
スマートフォンアプリケーションを用いて効果検証の研究を行う。予定している職域集団に加えて、地域集団での効果検証も検討する。また、当初予定していなかったが、既存データを用いて、家庭血圧測定が血圧コントロールに及ぼす影響についての疫学研究を進め、知見を構築する。
年度末にもアプリケーションの改修に対応できるように、残金に余裕を持たせていたため。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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