研究課題/領域番号 |
21K17336
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
菱谷 純子 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 准教授 (20586458)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ディザスターレディネス / 災害準備性 / 看護教員 / 災害看護 |
研究実績の概要 |
2021年度は看護教員のディザスターレディネス(disaster readiness:災害準備性)の実態を明らかにするための質的と量的調査それぞれ準備を行った。これら2つの調査は本研究課題の最終目的である「看護教員のディザスターレディネス向上支援プログラムの開発」の基礎的資料となるものであり信頼性と妥当性を確保した調査を行う必要があり、2021年度は準備に時間を要した。 質的な調査についてはインタビューガイドを作成し、参加者のリクルートを開始した。インタビューの対象者は災害時に支援した経験を持つ看護教員であり対象者が限られるため、今後もリクルートを継続する。質的なインタビュー調査の結果は量的な調査の質問紙作成に必要なものであり、分析結果の一部は次年度公開予定である。 量的な質問紙調査についてはディザスターレディネス(disaster readiness:災害準備性)をキーワードとしたレビュー文献を確認し、質問紙の試案を作成した。この質問紙試案を検討したところ、日本の看護教員の文化背景を加味した災害準備性を明らかにするためには新たな系統的レビューが必要であるという指摘を受けた。加えて、災害時に配慮が必要な高齢者や女性と子どもなどについての知識は、看護教員それぞれの専門領域によって差が大きいことが課題として指摘された。したがって、今後は日本の看護教員の組織文化的背景、看護後教員の専門分野を考慮した調査用の質問紙の作成に向けて、新たな文献レビューを行う。この文献検討結果に、質的なインタビュー調査の分析結果を加え、質問紙を完成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質的な調査についてはインタビュー結果の一部を年度内に公開する予定であったが、公開にいたらず、量的な調査のための質問紙作成が遅れた。当初計画ではこれら調査を2021年から2022年に実施予定であり進行状況としてはやや遅れた状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策として質的なインタビュー調査の分析および文献検討を推進するためのコンピューターソフトを購入したところである。これにより信頼性と妥当性を確保した研究を効率的に進めることが可能になる。 またインタビュー調査実施は災害看護の実践経験を持つ研究者にインタビュー実施について研究協力を得ることとし、インタビュー調査の妥当性を確保しつつ、調査を推進する計画である。さらに研究対象者のリクルートの一部を業者に委託することにより、研究対象者の応募範囲を拡大し、インタビュー対象者のバイヤスを排除しつつ研究実施が円滑にできるように計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は購入予定であったパーソナルコンピュータ本体とモニターが購入できなかったためである。COVID-19感染拡大による半導体不足などの影響を受け発注したものの納入ができない状態であり、納品でき次第支払う予定である。さらに文献検討を行い主要な内容をまとめた図書の購入、文献整理のための文具の購入、研究実施のための謝礼、研究対象者リクルートの業者委託費用などに使用する予定である。また本研究の成果を公開するための学会発表や論文投稿費用としても使用を計画している。
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