研究実績の概要 |
【目的】組織社会化のなかで発揮するプロアクティブ行動とは、組織に入職した個人が組織への適応をめざしてとる積極的な学習行動である。入職後1か月時点の新人看護師の組織社会化におけるプロアクティブ行動と他者支援との関連を明らかにする。 【研究方法】調査期間は2022年5月~7月。対象者は全国病院一覧データから近畿圏にある病床数300床以上の病院を系統抽出法にて64施設抽出し、同意が得られた新人看護師。調査内容は、1)新人看護師の組織社会化によるプロアクティブ行動尺度:20項目5件法、2)他者支援尺度:14項目5件法。他者支援尺度は師長、実地指導者(プリセプター)、師長、実地指導者以外の先輩3者それぞれから受けている支援を調べた。3)個人属性。従属変数に新人看護師の組織社会化におけるプロアクティブ行動、独立変数に師長、実地指導者(プリセプター)、師長、実地指導者以外の先輩3者それぞれから受けている支援を投入し重回帰分析を行った。調査票の返送をもって同意を確認した。尺度の使用にあたり開発者に使用許可を得た。 【結果】12施設の新人看護師273名に調査票を配布し、69名(回収率25.3%)から回答が得られた。67名を分析対象とした。対象者の背景は、女性が65名(97%)、男性が2名(.03%)、年齢は平均22.0歳(SD=±1.88)であった。 重回帰分析(ステップワイズ法)を行った結果、プリセプターの他者支援のみが(β=.3,p<.05)で有意であった。 【考察】就職後1か月の新人看護師の組織社会化におけるプロアクティブ行動は、プリセプターからの他者支援に影響を受けていることが確認できた。入職後すぐの新人看護師にとってプリセプターは支援者として重要な存在であることがわかった。 この研究結果は第33回日本医学看護学教育学会にて発表した。
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