本研究の目的は40代以上の看護職(後期キャリア看護職)が継続的にプロフェッショナリズムを高めながらキャリアを積み重ねていくために必要な支援システムの構築を目指すことである。2022年度に第1段階の調査として、後期キャリア看護職が就業・離職・復職などのあらゆる経験を通して、どのような要因がプロフェッショナリズムを高めうるか実態をヒアリング調査とアンケート調査により明らかにした。2023年度は第2段階として支援システムの検討するために以下のインタビュー調査を実施した。 まず、40代~60代の看護職が多数就業している病院または診療所の看護管理者またはキャリアサポート経験をもつ看護職15名を対象に、「40歳以上の看護職へのキャリアサポート事例(成功事例、困難事例、具体的な支援など)」、「40歳以上の看護職のキャリアサポートの際に大切にしていることや心がけていること」等を半構造化インタビューで尋ねた。あわせて、労働・キャリアにかかわる研究経験のある者2名にこれまでの先行研究結果を提示し、支援システム構築に向けて討議を行った。これらのインタビュー調査の結果を質的分析し、支援システムの検討に着手した。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果として、第1段階のアンケート調査では自身の患者家族としての経験や異動による看護領域の変化はプロフェッシナリズムに複雑な関連をおよぼす可能性を明らかした。第2段階のインタビュー調査では看護管理者が後期キャリア看護職に対して支援する際の要点を明らかにし、支援システム構築に向けて有用な資料を得た。
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