研究課題/領域番号 |
21K17349
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山東 資子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (30737739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カタカナ / 外来語 / 看護用語 / ジャーゴン / ESP |
研究実績の概要 |
令和3年度は、2020年と2021年に実施された、第109回・第110回看護師国家試験、および第106回・第107回保健師国家試験で使用されている、すべてのカタカナ語を抽出した。そのうち、たとえば「ベッド」のように日常生活で使用する語彙や、「イライラ」のような和語、人名由来の症状名、薬品名などを除いて、英語でコミュニケーションをとる際に注意する必要があると思われる看護用語に焦点をあて、以下の手順で研究を実施した。 まず、国内で出版されている7冊の文献を用いて、日本で使用されているカタカナ語の定義を確認しデータベースに記載する定義を決定した。次に、海外で出版されている8冊の文献から語源となっている用語の定義を抽出し、国内文献の定義と比較した。相違点や使用上の注意点など、特筆すべき点があると判断した場合は、注釈を作成した。続いて、国家試験におけるカタカナ用語の使用例から構造を分析し、それらの特徴に基づいてどのタイプに該当するか分類を試みた。さらに、英語で意思疎通を図る際はどのような表現が適切か、海外の国家試験対策本や各看護領域の専門書なども参照しながら用例を作成した。そして、見出し語の後に、和名・英名・タイプ・領域・定義・用例・その他特徴・問題番号など、上記手順で得られた情報を網羅したデータベースをExcelで作成した。 当初、国家試験で使用されているカタカナ用語のみを扱う予定であったが、各用語の定義を精査していく過程で、類似した意味を持った別の用語や、同じ用語でも領域によって意味が異なるものも出てきたため、それらもデータベースに記載することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先にも述べたように、国家試験では使用されていないものの、類似した意味を持った他の用語、領域によって意味が異なる用語、および特に関連が深いと想定される用語もデータベースに加えるべきであると判断したため、そちらの分析に時間がかかっている。また、カタカナの元となっている単語や熟語をそのまま英語として使用できないことが判明した場合、英語でコミュニケーションをとる際はどのように表現すべきか、について検討するのにも時間を要していることから、当初予期していたよりも若干遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も基本的に概要で述べた手順で分析をすすめていく予定だが、ある程度情報を収集した後さらに時間を要すると判断した用語については、一旦データベースに記載した上で、ひととおり他の分析が済んだ時点で再度検討するなど、柔軟に対応していく必要がある。また、現在データベースに記載している領域は平成30年版の国家試験出題基準に基づいているが、令和5年版が発表されることから相違点がないか比較予定である。また看護領域以外の意味をもった用語については、どこまでの情報を記載すべきか、さらなる検討が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定していたよりも安価で入手できた物品があったことと、オンライン開催により学会参加費の支出がなかったため、若干の残額が生じた。 出版年月により令和3年度に購入できなかった書籍をはじめ、すでに入手していた書籍の最新版が出版されることが判明しているため、それらを中心に使用していく予定である。
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