研究課題/領域番号 |
21K17351
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研究機関 | 文京学院大学 |
研究代表者 |
金久保 愛子 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (50383683)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ヘルスリテラシー / 自己管理行動 / 保健行動 / 乳がん患者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、手術療法を終えた外来通院中の乳がん患者のヘルスリテラシーが健康問題に対する自己管理行動に影響する要因を明らかにすることにある。 2021年度は、外来通院中の乳がん患者が認知する健康問題とそれらの対処行動、および対処行動をとるまでの意思決定過程についてインタビュー調査を実施する予定であった。外来通院中の乳がん患者を対象に調査依頼をしていたが、COVID-19の感染拡大により、医療機関への訪問が制限され実施施設において調査時期が延期となった。調査再開の見通しが立たないため、現在患者会への調査協力を依頼している段階である。 調査内容は、自覚症状および症状による生活への支障、健康促進に対する態度、健康情報の利用とその理解、関心のあったヘルスケアサービス、ケアを受ける障壁、医療者および健康促進に係わる重要他者とのコミュニケーション、ヘルスケアの活用を予定していた。再度術後乳がん患者のヘルスリテラシーの文献検討を行った結果、症状による生活への支障について、支障だけに着目するのではなく、症状を理解することで生じる可能性を疑うことから始まり、症状がないことによる安心感を持ち日常を過ごすことも健康問題に対する自己管理行動につながることが明らかになった。また、ヘルスケアの活用には、自己管理行動の選択肢を挙げる・実行可能か考えるなど行動を移す前の思考も含まれることが明らかになった。これらの結果を踏まえて、次年度調査を進めていく。 本研究では、乳がん患者が健康問題を自己管理していくために、ヘルスリテラシーの獲得過程を縦断的に捉えていくこと、独創性の一つとして捉えている。本年度の文献検討により、ヘルスリテラシーの属性が洗練でき、これから先の調査により、術後乳がん患者の健康課題に対する自己管理行動を理解する上で重要な知見になることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度は、外来通院中の乳がん患者が認知する健康問題とそれらの対処行動、および対処行動をとるまでの意思決定過程についてインタビュー調査を実施する予定であった。外来通院中の乳がん患者を対象に調査依頼をしていたが、COVID-19の感染拡大により、医療機関への訪問が制限され実施施設において調査時期が延期となっている。
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今後の研究の推進方策 |
調査依頼をしている医療機関の関係者と実施可能な調査方法の検討を行うと共に、患者会への調査協力を依頼している。しかし、現時点では患者会でも催しものが制限されている状況にある。その場合、WEBサイトを利用した調査協力者を依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査が行えていない結果、謝礼金と人件費が未使用となっている。調査実施時に使用したいため繰越す。
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