研究課題/領域番号 |
21K17361
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
熊谷 あゆ美 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (30843916)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 褥瘡予防 / マットレス硬さ / 皮膚軟部組織変形 |
研究実績の概要 |
手術室における体位別褥瘡発生率は、腹臥位が一番高い。褥瘡予防には適切なマットレスの使用が推奨されている。そのため、腹臥位手術の褥瘡予防に有効なマットレスを検討する必要があると考えた。褥瘡は骨突出部の皮膚軟部組織に高い外力が加わり、圧迫されて発生する。外力が加わることによって、皮膚軟部組織の内部には応力が発生し、その影響で変形する。自身の臨床研究をもとに、皮膚軟部組織に加わる圧力や褥瘡発生はマットレスの硬さと関係することから、マットレスの硬さに着目した。本研究では、腹臥位手術の褥瘡予防に有効なマットレスの硬さを皮膚軟部組織の変形をもとに明らかにする。 はじめに、硬さや形状の異なるマットレス上に腹臥位となり、外力が加わった腸骨部の皮膚軟部組織の変形の違いを、MRIをもとに腸骨部の皮膚軟部組織とマットレスの有限要素モデルを作成する。この有限要素モデルをもとに、対象者の有限要素モデルを作成し、応力解析を行う。この応力解析で得られた皮膚軟部組織の応力、ひずみ、変位の違いをもとに、応力、ひずみ、変位が小さい褥瘡予防に有効なマットレスの硬さを明らかにする。なお、このモデルによる解析データの妥当性の検証には、対象者から収集した腹臥位の腸骨部の体圧分布データを使用する。 次に、有限要素モデルによる応力解析で得られた皮膚軟部組織の応力、ひずみ、変位のデータを構築し、患者個々の体型に応じたマットレスの硬さを提案するための機械学習モデルを開発する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有限要素モデルによる解析データの妥当性を検証するため、これまで収集した腸骨部の体圧分布データを使用する。そのため、はじめにこの体圧分布データをマットレスの硬さ別、形状別にデータの処理と分析を行った。これらが予想以上に時間を要し、研究の進捗が当初の予定よりも遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
体圧分布データから得られるマットレスの硬さ別、形状別の皮膚軟部組織に加わる外力をもとに、妥当性が高い腹臥位の腸骨部の有限要素モデルの作成を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
はじめに、有限要素モデルによる解析データの妥当性を検証するため、これまで収集した腸骨部の体圧分布データの処理と分析を行った。これらが予想以上に時間を要し、研究の進捗が当初の予定よりも遅れたことから、次年度使用額が生じた。 次年度は有限要素解析ソフトウエアや機械学習ソフトウエア等を順次購入し、研究を進めていく。
|