研究課題/領域番号 |
21K17373
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
加藤 千夏 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (60827111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / CPAP療法 / アドヒアランス / 行動変容ステージモデル / セルフケアプログラム |
研究実績の概要 |
睡眠時無呼吸の治療の第一選択は「CPAP(シーパップ)療法:持続陽圧呼吸療法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)」であり、毎晩一定時間以上のCPAP専用マスクの装着が必要である。しかし、これまでの調査では、約3割が遵守できていない。この遵守率(アドヒアランス)の低さは、日中の居眠りによる交通事故や作業効率の低下を招くだけでなく、生活習慣病の憎悪に伴う心筋梗塞や脳卒中の発症リスクをも高めてしまう。そのため、CPAP療法の遵守率を高める必要がある。 CPAPの遵守不良者には行動変容が必要となる。その心理的支援として、医療者はProchaska(プロチャスカ)の行動変容ステージモデルに基づいて対応する必要があると考えた。行動変容ステージモデルとは、行動変容を目指す健康教育のために開発され、どのステージかによって支援が異なる。今では様々な健康教育で実践されているが、睡眠時無呼吸の患者、CPAP使用者への適応については、まだ十分な検討がなされていない。CPAP遵守のためにどのような行動変容が必要となってくるのか、また実際に、各ステージにおいて具体的にどのような支援を行えばよいのかは明らかにされていない。本研究は、CPAPの遵守不良者への行動変容を促進するために、Prochaskaの行動変容ステージモデルを基盤としたセルフケアプログラムの開発を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19の感染拡大による病院施設への訪問制限が、研究遅延の大きな原因ではあるが、それに加え、2018年の診療報酬改定で新設されたCPAP療法の遠隔モニタリング加算が、2年ごとに改訂され、急激に進歩するIT技術と診療形態の変化に研究者自身が追いついていない現状があり、現状の診療形態の特徴を整理し、対象者の選定および、セルフケアプログラムの素案の妥当性を検証する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
患者、医療者へのインタビュー調査を早急に進め、これまでの先行研究で得た臨床データに照らし合わせながら試作版を作成し、睡眠医療の外来で従事する医療者の意見を聞きながら実行可能性を考慮し、遵守率の改善効果の検証を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加がWEB参加となり、旅費が発生しなかった。また、臨床でのインタビュー調査の調整に遅れが生じ、論文の作成に至らず、次年度への持ち越しとなった。 今年度は、Covid-19による行動制限が解除されたため、積極的に臨床への介入を進める。
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