研究課題/領域番号 |
21K17380
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研究機関 | 宝塚大学 |
研究代表者 |
房間 美恵 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (70852763)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 電話相談 / 関節リウマチ / 不安 |
研究実績の概要 |
日本の実臨床の現場では関節リウマチ患者からの電話相談は、多くの場合まず看護師が対応を行うがその体制は各施設に委ねられている。本研究では、看護師が受ける関節リウマチ患者からの電話相談の現状とその課題を明らかにすることを目的とし、まずリウマチ性疾患に精通する有識者の意見を聴取しながらインタビューガイドを作成した。その後、所属機関の研究倫理審査会の承認を経て参加者を募り、関節リウマチ診療に携わる外来看護師14名を2グループに分けフォーカスグループインタビューを実施した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、対面での調査は困難であったためオンラインで調査を行った。 調査の結果、看護師が電話相談を行う上でかかえる課題としては、 (1)相談内容についての知識、(2)電話相談の体制、(3)情報共有と連携、(4)教育、(5)電話を受ける看護師の心理状態、の5つのカテゴリーに分類された。相談内容としては疾患や薬の副作用だけでなく、新型コロナウイルスやワクチン接種など多岐に渡り知識が十分でないこと、また、夜間の相談体制や特定の看護師に業務が集中するなど体制についての課題もあげられた。情報共有や連携については診療録への記載を含め医師からのより多くの情報提供の必要性など医師と看護師間だけでなく、他の職種間、看護師間でも課題があった。看護師への教育や患者教育も課題として示され、さらに電話を受ける際の看護師の不安感など看護師の心理状況についても抽出された。この結果は、2023年4月に開催された日本リウマチ学会・学術集会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は新型コロナウイルスの影響のために予定していたインタビュー調査が行えず、2022年度に実施、遅れていた分は十分取り戻せていない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、インタビュー調査で得られた結果をもとにリウマチケアに携わる外来看護師を対象とした質問紙調査を予定している。これらの結果をまとめリウマチ看護のエキスパートの意見も参考にしながら電話相談の支援体制の充実に向けての方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度に予定していた量的調査が遅れており、2023年に実施予定でその費用に充てる。
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