研究課題/領域番号 |
21K17396
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
安川 純代 岡山大学, 保健学域, 助教 (80618950)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 次世代連鎖 / SGA / 睡眠 / 胎児 / 生活習慣病 / AGA / LGA / catch-up |
研究実績の概要 |
本研究は、1)生活習慣病の世代間連鎖のメカニズム関連要因を疫学的解析により検討していくこと2)疫学解析を基に、生活習慣病予防のヘルスケアシステムを創出していくことを目的とする。生活習慣病の世代関連鎖は、受精期、胎芽期、胎児期の子宮内及び乳幼児期の望ましくない環境がエピゲノム変化を起こし、それが疾病素因となり出生後の環境と相互作用によって疾病が発症する"DoHaD(Developmental Origin of Health and Disease)学説”に基づく「胎児期の子宮内環境の重要性」にある。わが日本では、世界各国の中でもやせの女性割合が高く、低出生体重児の出生率が増加しており、妊娠前の母体のやせの割合は、低出生体重児・SGA児の出生割合と比例関係にあることが明らかにされている。さらに、低出生体重児・SGA児は、その後小児肥満、耐糖能異常、発達障害、生活習慣病、うつ・統合失調症などの疾患と関連し、生涯にわたる健康状態への影響も明らかにされている。そこで、目的1)に対し承認統計21世紀出生時縦断調査によるデータを用いて、SGA児(Small for Gestational Age infant):在胎期間に比して出生時の体重・身長共に10%タイル未満の児)は、AGA児(Appropriate for Gestational Age infant:在胎期間に比して出生時の体重・身長共に10%タイル以上90%タイル以下の児)と比べて睡眠時間の状況に違いや問題点を有する、という仮説を基に「出生体重の違いによる出生後の児の睡眠状態について」解析を行う計画としてすすめている。同様に、LGA(Large for Gestational Age infant):在胎期間に比して出生時の体重・身長共に90%タイルより大きい児)児とAGA児を比較した解析や、在胎週数別の解析も実施していく計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記の通り、本研究目的1)に対して「出生体重の違いによる出生後の児の睡眠状態について」研究計画書の作成を行い、データ解析をすすめている。承認統計21世紀出生時縦断調査によるデータの使用に関して、データを管理する研究協力者の所属施設に直接出向いてのみ使用可能との取り決めがあるため、COVID-19の状況下で他施設への出入りが頻回には実施できず、解析に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染状況によりデータ利用環境が整い次第、計画的に解析を実施してすすめ、学会発表や論文執筆を遂行していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
承認統計21世紀出生時縦断調査によるデータの使用に関して、データを管理する研究協力者の所属施設に直接出向いてのみ使用可能との取り決めがあるため、COVID-19の状況下で他施設への出入りが頻回には実施できず、解析に時間を要し研究の遂行が遅れている。そのため、学会発表や論文執筆、また研究協力者の謝礼など計上している予算を次年度に執行するため繰り越した。
|