研究課題/領域番号 |
21K17428
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
椿 美智博 北里大学, 大学病院, 一般職 (40819702)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | Advance Care Planning / 電子的患者情報アウトカム / 在宅医療 / End of Life care |
研究実績の概要 |
初年度は、患者の治療・療養に対する望みについて医療従事者と患者・家族が電子的に情報を共有および話し合いを行う「ePRO型ACPモデル」の開発・検証に向けたパイロット研究を実施した。 調査に先立ち、学内の倫理審査委員会に研究の申請を行い、承認を得ることができた。その後、医療従事者へのヒアリングからePRO型ACPモデルに適切な内容を抽出し、在宅医療に精通する医療従事者とのブレーンストーミングから検討してモデルを作成した。作成したモデルを株式会社インテグリティ・ヘルスケアが提供するオンライン診療プログラムであるYaDocへ実装し、症例集積研究として在宅医療の現場で実践的に導入した。 このパイロット研究では、ePRO型ACPモデルを使用した対象者へのアンケートおよびインタビュー調査を実施し、その効果を検証した。その結果、ePRO型ACPモデル導入は、患者へ経時的に考え方の変化を自覚させることを促し、患者および家族に最期を予期させることができる可能性が示された。さらに、対象症例においては導入期間が短期的でも延命治療に関する患者の意思確認には有効であった。 一方で、対象者へePRO型ACPモデルを導入する際の医療者の負担や、対象者がシステムを理解しやすい説明を行うことが課題として抽出された。これらの課題に対して研究者で検討を重ね、13項目で構成されるePRO型ACPモデルを新たに作成した。パイロット研究によって新たに完成したePRO型ACPモデルは、多施設無作為化比較試験により有効性を検証する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた、ePRO型ACPモデルの開発、オンライン診療システムへの実装、パイロット研究による検証を滞りなく実施した。次年度以降から始まる多施設無作為化比較試験についても施設リクルートを終えており、データ収集に向けた準備も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目以降の多施設無作為化比較試験の実施に向けたプロトコルを作成し、改良されたePRO型ACPモデルの導入および検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による移動制限により研究対象施設である往診クリニックとの打ち合わせによる旅費および、会議室使用料の支払いがなくなり次年度使用額が生じた。 今後の感染状況に合わせて、これまでできなかった対面による打ち合わせを再開するとともに、今年度に使用しなかった費用は、次年度以降に研究成果の論文化を進めていくにあたり、英文校正費ならびに投稿費用に利用したいと考えている。
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