研究課題/領域番号 |
21K17434
|
研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
池内 朋子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40773809)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 自立意識 / 意思決定プロセス / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の意思決定に影響する要因として日本人の価値観、とりわけ「自立」意識に着目し、意思決定プロセスにおける自立意識の役割を検証することを目的とした。 今年度は、自治体と社会福祉協議会の協力を得て、過疎地域に住む単身世帯の60歳以上の男女を対象に対面インタビューを実施した。参加者は配偶者や頼れる子どもがおらず、人との交流がほぼない孤立状態にある人もいた。参加者の健康状態、心理状態、自立意識を含む価値観について調査し、その解答を質的に解析した。その結果、生活機能が低下している参加者を含め、全員が「周りに迷惑をかけない」という価値観を持っていることが明らかになった。一方で、「自立したい」や周りの人に「依存したくない」という思いは限定的であった。本研究成果は、国際学会および学術誌に発表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対面インタビュー調査を実施するにあたり、60歳以上の調査参加者を募集したが、感染症の懸念などで参加希望者が集まらず、目標人数を集めるのに予定よりも時間がかかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、自立意識と意思決定の関連を検討するため、量的調査を実施する。また、基本属性に加えて居住形態(同居、独居)や家族の有無を含めた背景要因の影響を検証する。これにより、高齢者の自立意識と意思決定プロセスに、家族や身近な人の意思や希望が影響しているのかを明らかにすることを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の懸念からインタビュー調査の実施が予定よりも遅れ、関連する諸費用や旅費を次年度に繰り越した。2024年度は量的調査を実施し、その際の費用に助成金を使用する。
|