研究課題/領域番号 |
21K17436
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
井上 愛子 名古屋大学, 未来社会創造機構(医), 特任講師 (10805245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / 独居 / フレイル / ICT活用 |
研究実績の概要 |
他国に類を見ない速度で高齢化が進む本邦において、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自立した生活を営むことができるような環境を構築することは非常に重要な課題であるといえる。少子高齢化社会によりケアが必要な高齢者の絶対数の増加と現役世代の減少により医療・介護を担う人的資源が枯渇していく中で、多面的なフレイルへの対策が急務となっている。 本研究の目的は、情報通信技術(Information and Communication Technology; ICT)を活用した高齢期の諸問題に関する情報提供および運動・栄養実践のための包括的フレイル予防支援システム(独居高齢者見守りシステム)を用いた介入による、独居高齢者の心身機能の維持・向上やフレイル予防効果と健康行動促進要因を明らかにすることである。 2021年度は、スクリーン付きスマートスピーカーを活用した独居高齢者向けのフレイル予防アプリケーションの開発と並行して、対象となる独居高齢者の各戸へスマートスピーカーの設置ならびに回収作業と設置時には機器の操作方法の説明が必要なため、設置・操作方法の教示を支援する人材の育成が必要となり、フレイル予防アプリケーションの開発と並行して支援員の養成を行った。支援員希望者23名(69.7±0.7歳、男性4名、女性19名)へ、2ヶ月間の機器貸出しを行い、機器類の設定方法とスマートスピーカーの操作方法について習得を図ることができた。 フレイル予防アプリケーションの開発として、2021年度は新たにウェアラブルデバイスの情報と連動して作動するよう改良を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、独居高齢者への実態調査(アンケート調査)がフィールドとなる自治体の別事業との関係で実施ができなかったため、2022年度予定の介入研究の対象者募集が次年度に持ち越しとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、愛知県豊山町在住の65歳以上の独居高齢者で研究参加の同意が得られた方100名を対象とし、対象者を無作為に①ICT(スクリーン付きスマートスピーカー)を活用した独居高齢者見守りシステム参加群と②対照群に50名ずつ群分けし、独居高齢者見守りシステム参加群に対して6カ月間プログラム提供を行う。 ベースライン、介入前後、および介入後6か月後に対象者の健康状態、栄養状態、身体機能、精神認知機能、QOLを調査比較し、プログラムの効果を検証する。
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