研究課題/領域番号 |
21K17438
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
坂東 志乃 (渡邊志乃) 宮城大学, 看護学群, 講師 (60563955)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地域診断 |
研究実績の概要 |
今年度は、まず、保健活動における地域診断の実践上の困難について、文献レビューにより、明らかになっていることや課題について分析した。キーワードは、「地域診断」「地域アセスメント」をor検索し、看護論文かつ原著論文で絞り込みをした。地域診断に関する研究では、1998年~2005年の論文を対象とした文献レビュー(吉岡ら.2006)、2005年~2015年の論文を対象とした文献レビュー(塩見ら.2019)、2014年~2019年4月の論文を対象とした文献レビュー(松永ら.2020)が先行研究として実施されていた。保健師の地域診断は、かねてより実施率の低さが指摘されており、地域診断の実践を阻む困難の克服が普遍的課題となっていることが分かった。そこで、今回は近年5年間(2017年~2021年)に発表された論文を対象として医学中央雑誌WEB版にて検索した。該当した文献は70件で、そのうち本研究の目的と合致しない文献を除外し、47件を分析対象とした。分析においては、当該研究における地域診断の実施者や、得られた知見における実践上の困難や課題について整理した。この文献レビューの結果については、日本地域看護学会第25回学術集会に演題登録(採用)済であり、2022年8月27日・28日に発表予定となっている。 また、この文献レビューの結果を踏まえてインタビューガイドを作成し、インタビュー調査実施に向けての準備をした。今後は、作成したインタビューガイドをもとに、調査を実施し、調査内容の分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の中、文献レビューを進め、先行研究の動向・知見の整理については概ね実施できた。文献レビューをもとにインタビューガイドを作成していたところであったが、厚生労働省のIHEAT(Infectious disease Health Emergency Assistance Team)による県内の支援が再開し、研究者も保健所支援を行うことになり、インタビューガイドの作成等が遅れた。また、新型コロナウイルス感染症ワクチンの3回目接種が始まったこと、感染第6波による業務繁忙などにより、対象となる保健師の研究参加も困難な状況にあり、インタビュー対象選定を延期している。
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今後の研究の推進方策 |
研究者のIHEATは継続しているが、感染の波が落ち着いたところでインタビュー調査を実施していく。 インタビューの実施においては、場合によってオンライン面接にすることで感染予防に配慮するとともに時間的拘束を短縮するなど、対象者と相談しながら調査に参加しやすい体制を整えながら遂行する。 インタビュー調査実施後は調査内容を分析し、結果をまとめるとともに、質問紙調査の準備を行うことで次年度に繋げる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により、厚生労働省のIHEAT(Infectious disease Health Emergency Assistance Team)による保健所支援を行い、インタビューや調査を延期したことから、予算執行を行わなかった。研究補助も依頼しなかった。 今年度は、可能な方法でインタビュー調査を進め、質問紙調査の準備をする。調査は、感染症発生状況から判断して実施する。また、学会発表や投稿を予定する。 以上の予定から、郵送料等調査費、インタビュー内容分析のためのテープ起こし、学会参加費、研究補助について支出を予定している。
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