研究課題/領域番号 |
21K17460
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
入澤 寛 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70467231)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 体組成計 / 脳卒中急性期 / サルコペニア / 高齢者 |
研究実績の概要 |
これまで、骨格筋の評価方法としては『筋力』、『筋量』を用いることが一般的であったが、近年骨格筋内部の状態を示す『筋質』が注目されている。 本研究は高齢脳卒中患者急性期における筋質の変化を、BIA法を用いた体組成計で測定可能なPA値で評価する。PA値の変化に影響を与える因子を解析することで、脳卒中急性期におけるPA値の減少、すなわち筋質の低下を抑制する方法を明らかにすることが目的である。 筋質の低下はADLの回復に影響を及ぼしていることが明らかになっており、ADLの低下はスムーズな生活期への移行の妨げとなり、入院期間の遷延につながる。また、回復期におけるADLの回復が不十分であると、退院後、家庭での介護負担の増大、介護サービス必要量の増加といった医療・介護財政の負担増加につながる。そのため急性期における筋質低下の抑制方法を明らかにすることは、高齢脳卒中患者の生活の質を大きく改善させることにつながるだけではなく、今後高齢化が進み、ますます脳卒中患者の増加が見込まれる我が国においては、医療・介護負担の軽減にもつながっていくと考えられる。 本年度は脳卒中ケアユニットに脳卒中(脳梗塞・非外傷性脳出血・非外傷性くも膜下出血)の診断で入院をした患者に対して、入院後24時間以内に体組成計を用いてPA値、骨格筋量を測定、栄養状態の評価、リハビリテーション治療の影響の評価を行った。 すでに予定症例数を大幅に越えた200症例以上のデータ取得を行ったが、欠損値などの評価を行い、2023年度中に国内学会での研究結果の発表を行う予定である。合わせて論文作成の準備と、情勢に応じて海外での発表も検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では脳卒中急性期における筋質の変動をBIA法を用いた体組成計により測定されるPA値を用いて経時的に評価し、脳卒中重症度と、それがPA値の変動に与える影響を明らかにすることで脳卒中急性期の筋質の変動を明らかにする。さらに、重症度別に分類した上で、PA値の変動に対する後ろ向き分析を行う。筋質の変動に影響を与える因子として、栄養方法・栄養量やリハビリテーション治療時間が考えられることから、これらの影響を後方視的に解析し、筋質の変動に影響を与える因子を検討する。検討対象としては100例の症例を2年以内の期間で実施することを目標としていた。 すでに予定数を大幅に超過した200例以上のデータ取得ができたためより精度の高い内容での研究成果が期待できる。データ解析完了後、2023年11月の日本リハビリテーション医学会秋季学術集会での発表を予定している。また、論文化も進め、国際誌での発表を行う予定である。 国際学会での発表は国際情勢が流動的であるため慎重に検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
すでに予定症例数を大幅に超過したデータを取得することができた。そのためより精度の高い解析結果が得られると考えている。2023年度前半のうちにデータ解析を完了し、2023年11月に開催予定の日本リハビリテーション医学会秋季学術集会で発表を行う予定である。 また、英文での論文化を進め、国際学術誌に投稿を年度末もしくは来年度に行いたいと考えている。 国際学会での発表は現在のところ2024年2月のInternational stroke Conferenceを予定しているが、国際情勢が流動的であるため引き続き慎重に検討していくこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
体組成計購入時に付属していたプリンターのインクカートリッジや専用印刷用紙が予定より長期間使用できたため、消耗品費として予定していた支出が不要となった。 2023年度の学会発表の経費や、論文校正費など、物価上昇の影響で負担が増すであろう分に充当したいと考えている。
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