研究課題/領域番号 |
21K17473
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 陽子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任研究員 (60851764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 聴覚過敏 / 不快音 / 不快閾値 |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症児の多くに聴覚過敏がある。自閉スペクトラム症児の聴覚過敏は、音の大きさに対してだけでなく特定の音を嫌うことにその特徴がある。日常生活では音刺激を避けることが難く、聴覚過敏は多くの自閉スペクトラム症児/者の生活に支障をきたす問題となっている。自閉スペクトラム症児の嫌いな音の調査では、友達の声や掃除機音の苦手さの報告はあるが、嫌いな音の詳細な特徴と音を不快と感じる閾値については検討されていない。本研究は、聴覚過敏がある自閉スペクトラム症児が不快と感じる音の特徴と不快閾値の関連について明らかにすることを目的とする。 大阪大学医学部附属病院小児科を受診し、自閉スペクトラム症と診断された神経発達症児と定型発達児(7-18歳)を対象に、各種検査(知能、聴覚過敏)や聞こえの困難さについての調査、不快閾値を測定するためにオージオメーターを使用した不快閾値検査を実施し、聴こえの困難さや不快閾値の特徴を調べる。また、聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児が不快と感じている音を騒音計で測定し不快音の特徴を分析し、不快な音の特徴および聴覚過敏と不快閾値の関連について検討する。聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児に不快な音の音圧や周波数を調整した補聴器を貸し出し使用前後の変化等を調査する予定である。 現在、自閉スペクトラム症児と定型発達児のリクルートおよび各種検査をおこなっている。加えて、次年度の不快閾値検査実施に向けて、機器の選定や検査内容の確定をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行により対象者のリクルートが進まず、計画している研究の遂行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
対象者のリクルートを継続して行い、研究参加者に対しては、コロナ感染症対策をおこないながら、不快な音の聞き取り調査や不快閾値検査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者のリクルートが遅れたことから人件費の使用がなかった。加えて、不快閾値検査で使用するオージオメーターについて、研究内容と照合しその選定を慎重に検討したため購入が遅れ、次年度使用額が生じた。
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