研究課題/領域番号 |
21K17473
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 陽子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 招へい教員 (60851764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 聴覚過敏 / 不快音 / 不快閾値 |
研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症児の多くが聴覚過敏の問題を抱えている。日常または学校生活では音刺激を回避することが難しく、聴覚過敏は自閉スペクトラム症児の生活や学習に支障をきたす問題となっている。 本研究は、聴覚過敏を呈する自閉スペクトラム症児が不快に感じる音の特徴と不快閾値の関連について明らかにすることを目的とする。 令和5年度は、昨年度より対象者人数を自閉スペクトラム症児27名、定型発達児34名に増やした。また、聴覚過敏のない自閉スペクトラム症児のリクルートを引き続き進めた一方で、自閉スペクトラム症児の聴覚過敏の有無の群分けについて、実施した質問紙の内容と不快閾値検査の結果をもとに、関連する専門家との意見交換を行い、聴覚過敏を伴う/聴覚過敏のない自閉スペクトラム症群を合わせて、データの解析をおこなうことを検討した。現在、FISQ84以上の難聴や語音の聴こえの問題のない、上記対象者の不快閾値検査結果のデータ解析を進めている。今後はデータをまとめ、論文化および関連学会での発表をおこなっていく。加えて、自閉スペクトラム症児に対し、嫌いな音のアンケート調査を実施し、「先生がいない時間の教室の音が嫌」といった不快に感じる音の情報収集をおこなった。引き続き、嫌いな音アンケート調査を実施する予定である。また、嫌いな音のアンケート調査の結果を踏まえ、当初予定していた定点で計測する騒音計から、聴取した自閉スペクトラム症児の不快さをより数値化できる騒音計について再検討し、使用する騒音計を慎重に選定した。今後は実際の音を騒音計で測定し分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用する騒音計について再検討した結果、選定に時間がかかった。これにより実施が当初の計画よりもやや遅れている状況と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
嫌いな音アンケートを引き続き実施し、実際の音を騒音計で測定し分析する。不快閾値検査のデータの解析および結果のまとめをおこない、発表および論文化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
嫌いな音のアンケート調査が遅れ人件費の使用がなかった。加えて、貸し出し用の補聴器の購入が遅れ、次年度使用額が生じた。
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