研究課題
痙縮の適正な評価を目的として、関節周囲の軟部組織や靱帯の廃用的要素や拘縮の要素を除した痙縮の評価が重要であると考え、超音波検査装置を用いて下腿三頭筋のエラストグラフィーを評価した。ボツリヌス療法前後でエラストグラフィーにおけるshear wave velocity (SWV)の有意な変化が認められた。加えて、痙縮の評価指標である the modified Tardieu ScaleのR2の要素が介入前後で変化がなかった群でもSWVの変化が有意であった。つまり、SWVは関節周囲の軟部組織や靱帯の廃用的要素や拘縮の要素を除したかたちで筋の粘弾性を適切に評価できる可能性が示唆された。また、三次元動作解析装置と表面筋電図を用いて介入前後の歩行分析を開始した。三次元動作解析装置より得られた足関節の歩行周期における底背屈パターンの乱れが、ボツリヌス療法後に改善することを確認した。また同時に計測した表面筋電図では筋活動の乱れが改善する傾向が見て取れた。今後は、症例の集積を検討し、介入前の動作解析に基づく治療ストラテジーの確立を目指したい。
2: おおむね順調に進展している
三次元動作解析装置と表面筋電図の同時計測装置の確立ができている。
データの蓄積を引き続き行う。国内外の学会へ発信し、論文としてまとめていく。
データの集積、分析のための機器整備。また情報収集のために、国内外の学会に出席する予定である。
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Journal of Clinical Rehabilitation 医歯薬出版株式会社
巻: 32 ページ: 709-716