研究課題/領域番号 |
21K17479
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
山口 育子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (00645468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 呼吸筋トレーニング / 誤嚥性肺炎 / 口輪筋 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は、誤嚥性肺炎を既往に持つ高齢者に対する呼吸筋トレーニングの実施可能性と誤嚥の予防効果を検証することを目的とする。誤嚥を防ぐために呼吸筋や咳嗽力を向上させる事は有効なトレーニングであるが、誤嚥性肺炎を発症する高齢者はオーラルフレイルの状態にあることや嚥下時の換気パターンの調整能力が低下していることから、安全で確実なトレーニングが実施可能であるかは明らかでない。そこで、誤嚥性肺炎を既往に持つ高齢者のRMT実施時の口腔の状態を客観的に評価するとともに、RMT介入期間中の有害事象の発生率や重症度、実施状況について調査し安全性や確実性について検証する。それらを検証したうえで、RMTによる口腔・嚥下機能、呼吸機能に対する効果検証を行う。 そのため、研究①については、高齢者施設に入所中の高齢者150名を対象に口腔機能、嚥下機能、呼吸機能、呼吸筋力の各種指標を測定し各データの関連性を検証する観察研究を行う。対象の中でも特に誤嚥性肺炎を既往に持つ高齢者の口腔・嚥下機能と呼吸機能の関連を明らかにし、呼吸筋トレーニングの際に行う連続の抵抗負荷呼吸を確実に実施できるかを検証する。 研究②③では、誤嚥性肺炎を経験した高齢者に対して呼吸筋トレーニングを行う介入研究を実施する。介入期間中の有害事象の発生率や重症度、プログラムの実施状況について検討する観察研究とする。有害事象はRMT実施中の呼吸困難や不整脈の出現、誤嚥の発生、期間中の口腔の異常、食事中の誤嚥などとし、プログラム実施状況の指標には継続率、完遂率、脱落の理由を調査する。そのうえで、口腔・呼吸・嚥下機能を指標として誤嚥予防に対する効果を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度に予定していた研究①は、新型コロナウィルスcovid-19の感染拡大による高齢者施設でのクラスター発生や感染対策のため施設への訪問や測定がすべて中止されたことにより中断している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は新型コロナ感染拡大の影響により、対面で予定していた全ての測定を中止せざるを得なくなった。測定のための機材はそろい、測定方法の確認や測定練習などの準備は整い、施設や測定協力者との調整も進んでいるため、訪問ならびに測定の許可が出ればすぐにデータの収集を行う予定である。現在の調整の結果、2022年度は秋頃から測定の許可が出る予定となっているため、条件がそろえば測定を開始する。研究①に関しては、多施設の協力が得られる可能性があり、測定協力者の人数を増やして、データの収集を進める予定である。その後すぐにデータの分析を行い、順次、学会で口頭発表するとともに、可能ならば論文としてまとめて学術誌に投稿したいと考えている。 研究①の結果を踏まえ、研究②③に進めていく予定である。 しかしながら、新型コロナの感染状況によっては、対面の測定ができない場合も想定される。その場合は、収集するデータを絞り検討を行いながら対応する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が当初の予定より遅れているため。2022年度はデータの収集、分析を行い、その結果を国内外の関連学会での発表や論文としてまとめていく。そのための旅費や投稿費として使用する。また、測定の実施にかかる人件費や諸経費等に使用予定である。
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