研究課題/領域番号 |
21K17485
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
板東 杏太 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 身体リハビリテーション部, 理学療法士 (40860870)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 運動学習 / 脊髄小脳変性症 / 小脳 |
研究実績の概要 |
研究の目的は脊髄小脳変性症患者における運動学習能力(プリズムアダプテーション)の程度とリハビリテーションの効果に関連があるかを調査することである。本研究の結果は、運動学習能力を評価として実施することの意義を確立するものであり、今後の小脳関連のリハビリテーションにとって重要な情報となる。本年度の成果として、予定人数のデータ取得を終えることができた。今後、同時取得した脳MRI画像との関連などを含めてデータ解析を実施し、成果を論文化していく。また、サブ解析として脊髄小脳変性症における遺伝性タイプと多系統萎縮症におけるリハビリテーション介入効果の違いを検証した。結果、介入の持ち越し効果に違いがあることを示した。このデータに関しても現在、論文化中である。また、別の予備解析とて、小脳性認知情動症候群のスコアリングを行う質問紙であるCCASスケールの日本語版を翻訳および妥当性の検証を実施した。健常者含めて100例のデータを取得した。小脳性認知情動症候群は運動学習能力と関係すると考えられており、プリズムアダプテーションの結果解釈を補強するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染対策も簡素化され、十分な被験者リクルートが可能であったため、順調に進んでいると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
データの蓄積は十分になったため、今後解析処理を進めていく。研究開始当初はMRI画像における小脳部位の画像解析パイプラインは不十分であった。しかし、ここ1年で深層学習モデルを用いた画像処理が発展し、複雑な構造である小脳においても、安定した解析が実施できるようになった。よって、当初の予定よりも画像と臨床データを融合させたより、詳細な統計処理を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析に必要なプログラムコードを自作したため、予定の経費より少なく済んだ。だた、研究開始当初は使用できなかった深層学習技術によるMRI画像解析が実用可能になったため、演算処理能力の高い計算機の使用を希望する。
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