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2021 年度 実施状況報告書

口腔がん患者の錠剤内服困難についての検証と解決策の究明

研究課題

研究課題/領域番号 21K17488
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉住 結  東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60771863)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード口腔がん / 錠剤内服
研究実績の概要

錠剤は他の食物と比べて嚥下しづらく、健常者でも10-20%が錠剤の飲み込みづらさを感じるとされている。口腔がん患者の錠剤内服困難について検証するにあたり、まずは東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション外来を受診した口腔がん以外の患者について、後ろ向きに調査を行った。
対象患者は70名で男性40名、女性30名、平均年齢74.9±11.5歳であった。原疾患としては、神経筋疾患22.8%、脳血管疾患21.4%、認知症10.0%、呼吸器疾患10.0%、消化器疾患10.0%、精神疾患5.7%、その他20.0%となっていた。
嚥下機能検査結果を分析したところ、錠剤内服時に錠剤そのものを誤嚥した患者は存在しなかったが、錠剤を内服するための水分を誤嚥した患者は18.6%存在した。また、錠剤内服後に口腔内・喉頭蓋谷・梨状窩のいずれかに錠剤の残留を認めた患者は34.3%であった。
初診時の嚥下機能についてFOIS(Functional Oral Intake Scale)でみると、FOIS:7(常食摂取)の患者は60.0%であった。そのうち、錠剤内服後に口腔内・喉頭蓋谷・梨状窩のいずれかに錠剤の残留を認めた患者は28.6%であった。常食を問題なく摂取できる嚥下機能であっても、必ずしも錠剤が問題なく内服できるわけではないことが実証された。
これらの結果の解析を行いながら、口腔がん患者の錠剤の嚥下動態についても分析の準備を始めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で、予定手術の延期や、嚥下機能検査の制限等があり、データ収集が予定通りに進められておらず、研究の進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

口腔がん以外の患者に対する錠剤内服時の嚥下動態を検証できたことで、口腔がん患者の嚥下動態を分析する際、比較検討できるデータを得ることができた。今後は、口腔がん患者についての分析を逐次進めていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響で嚥下機能検査の制限があり、検査用機器の鼻咽腔ファイバースコープ、USBカメラキット、摂食嚥下関連チェアSwallowchairⅡ等の購入に至れなかった。また参加を予定していた学術大会がオンライン開催となったこともあり、次年度使用額が生じた。新型コロナウイルス感染者数も減少傾向にあり、嚥下機能検査の制限も緩和されたため、次年度の検査用機器の購入を予定し、その費用として使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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