研究課題/領域番号 |
21K17491
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平賀 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00632663)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アストロサイト / 脳卒中後疼痛 / 異所的神経活動 |
研究実績の概要 |
これまで出血後7日目(疼痛発症時期)において、成体マウスの大脳皮質第2-4層におけるアストロサイトマーカー遺伝子発現が出血後1日目に一過性に減少するのに対し、Gfapの発現が増加することを確認した。また脳卒中後疼痛モデルマウスの感覚野第4層では、視床後核ニューロンからの異所的側枝形成に伴いc-Fos発現が増加することを明らかにしている。本年度では、その感覚野第4層ニューロンにCreを発現するマウス系統の感覚野へCre依存的に神経活動を抑制する人工受容体hM4D(Gi)をアデノ随伴ウイルスにより導入し、CNO投与することで出血後の疼痛行動を緩和することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感覚野第4層での異所的神経活動と疼痛の関連を明らかにすることができ、アストロサイト亜集団の解析にも着手できたため、研究は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、感覚野第4層での異所的神経活動と疼痛発症におけるアストロサイトの機能解析を中心し進めると共に、疼痛病態を維持するアストロサイト亜集団の同定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでCSF1R阻害剤によるミクログリアの除去が、出血後7日目以降の疼痛に対して全く効果を示さなかったことから、脳卒中後疼痛の病態維持についてはアストロサイトの役割に着目して解析を進める必要があると考えた。特に、次年度では疼痛及び異所的神経活動におけるアストロサイト亜集団の役割を解析するために、計上した予算が必要である。
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