研究課題
神経筋電気刺激(NMES)療法は、十分な自発的な運動を行うことができない心不全患者に対する代替療法として位置づけられている。本ランダム化クロスオーバー研究は、虚弱かつ高齢な慢性心不全患者に対する、心臓リハビリテーション(CR)に補助的に行う自宅でのNMES療法の安全性および有効性を評価することを目的とした。虚弱かつ高齢な慢性心不全患者8名を対象とした。対象は、8週間のCRとNMES療法を併用した後に、4週間のウォッシュアウト期間を経て、その後8週間のCR単独を行うシーケンス1と、その逆の順番のシーケンス2にランダムに振り分けられた。NMESは50Hzの周波数で、週5回、1日50分間、両下肢に実施された。運動機能の指標としてShort Physical Performance Battery(SPPB)スコアと下肢筋力を、日常生活動作(ADL)の指標としてバーセルインデックスが評価され、各介入前後の変化量を算出した。NMES期間中に有害事象はなかった。CRにNMES療法を併用した場合、CR単独に比べて、SPPBスコアおよび5回立ち上がり時間が、それぞれ2.67ポイントおよび-10.67秒改善した。CRにNMES療法を併用した場合とCR単独の間で、下肢筋力とバーセルインデックスに有意な変化は認めなかった。本研究は、CRに補助的に行う自宅でのNMES療法が、身体機能を改善し、かつ安全に実施可能であることを示し、NMES療法が虚弱かつ高齢な慢性心不全患者の身体機能を改善するための追加の治療オプションとして有効である可能性が示された。
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