研究実績の概要 |
本研究は、肺高血圧症患者に対する右心カテーテル検査中に心肺運動負荷試験を施行し、運動時肺高血圧の有無と程度、運動耐容能を評価することで、運動時肺 高血圧の病態生理と呼吸リハビリテーション実施後の肺高血圧増悪の有無を検討し、現行の運動処方での呼吸リハビリテーションの効果・安全性を明らかにすることを目的とした前向き研究である。院内の倫理審査の承認を受けてから、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う病床稼働や心臓カテーテル検査の件数の制限、呼吸器内科医のマンパワー不足により、開始できない期間が長かったが、1例のCTEPH患者に 右心カテーテル検査中の心肺運動負荷試験を行い、1年間の外来呼吸リハビリテーションを完遂させた。当該症例は、運動時肺高血圧は見られなかった症例であるが、運動療法をはじめとする呼吸リハビリテーションの一定の効果・安全性が確認された。その後、数例の症例に対して右心カテーテル検査中の心肺運動負荷試験を行ったが、肺高血圧症の診断基準を満たさない、遠方で通えない等により症例登録に至らなかった。今後も症例登録を試みていく予定である。本年は、研究の意義を深めるため に、当院の取り組みをセミナーやインタビュー、執筆を通じて公表した。 稲垣武:非COPD患者に対する呼吸リハビリテーション,理学療法士講習会(応用編),2023年9月9日,オンライン 稲垣武,田邉信宏:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者の在宅呼吸リハビリテーション MEDICAL REHABILITAION 286, 2023年, 49-54. 稲垣武:医療スタッフのためのPH治療支援の実際 -外来でのPH患者さんのリハビリテーション指導について教えてください- Pulmonary Hypertension Update 9 (1), 2023, 62-65. など
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