研究課題/領域番号 |
21K17512
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中森 正博 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (30881297)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 頸部感覚神経刺激 / 不顕性誤嚥 |
研究実績の概要 |
本研究はパーキンソン病患者を対象に頸部感覚神経電気刺激を行う介入研究である。医療機器の適応外使用であることから、特定臨床研究として実施した。令和3年度に、特定臨床研究開始のために必要な諸準備を行い、「パーキンソン病での頸部感覚神経電気刺激リハビリにおける嚥下機能改善に関する単群介入研究」として広島大学病院倫理委員会に提出し、令和4年4月25日承認、jRCT公表を行った。対象はパーキンソン病患者で、介入は、頸部感覚神経電気刺激を1回20分、週2回、8週間実施した。介入終了後さらに8週間経過観察とし、評価は全過程(16週間)において4週間ごとに評価した。令和4年6月1日から症例登録を開始した。参加希望者が想定外に多く、登録が速やかに進み、令和5年6月30日に最終症例(27例目)の最終評価を終えた。医療機器に伴う有害事象は生じなかった。主要評価項目である1%クエン酸テスト正常者の割合が介入終了時に有意に増加した。副次評価項目としては、介入終了8週間後における、1%クエン酸咳テストの正常患者割合は改善、簡易1%クエン酸咳テスト正常者の割合が、介入終了時および介入終了8週間後で改善、嚥下状態(EAT-10)正常者の割合が、介入終了時および介入終了8週間後で改善、を認めた。介入終了時および介入終了8週間後における、嚥下造影時相解析による誤嚥および喉頭侵入率の減少は認められなかった。16週間の全観察期間における肺炎発症者はいなかった。探索的評価項目として、頸部多チャンネル筋電図、電子聴診器による嚥下音評価を入れており、それらのデータ解析も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特定臨床研究の諸準備、倫理審査での承認、jRCT公表は予定通り進行した。統計部門と行った症例数設計で、当初より登録症例が少数で完遂する見込みとなり、さらに、参加希望者が想定外に多く、登録が速やかに進んだ。そのため、令和5年6月30日に最終症例の最終フォローを終え、データ解析、成果の論文発表を残すのみとなった。登録を行った。データ解析も令和5年度中にほぼ終了し、論文報告を終えればすべて完遂する。全体を通して1年以上早く進展することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
最終登録症例の最終評価が完了し、データ解析もほぼ完了している。成果報告(学会発表、論文発表)の段階に入る。加えて、探索的評価項目のサブ解析とその成果報告も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定より早く進行しました。そのため、論文による成果報告が追いついておらず複数残しています。残額はそれによるもので、英文校正、論文投稿・掲載料にかかる費用に今後使用する予定です。
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