研究課題
本年度は、申請書に記載した研究課題1と研究課題2のデータ取得を継続して進めた。具体的に課題1では、パーキンソン病患者を対象に、内発的動機づけと精神症状の関連について検討した。実施内容としては、行動データとして内発的動機づけの定量的評価に好奇心課題を用い、精神症状の評価では、HADSとApathy Scaleを用いた。さらに脳画像データとしてMRIで構造データを取得し、SPECTで線条体のドパミン受容体の集積程度を評価するDAT scanのデータを取得した。行動データと脳画像データを併せ、パーキンソン病患者における精神症状と内発的動機づけの関係を明らかにできる。現時点で50名程度のデータ取得が完了している。並行し課題2である内発的動機づけと主観的価値に基づく目的指向行動の関係についてのデータ収集を進めている。PD患者の主観的価値に基づく目的指向行動の変容は、COPMを用いて評価し、抽出された活動の技能レベルをThe Assessment of Motor and Process Skills (AMPS)で評価している。基本的に課題1と課題2のデータは同時期に取得しているが、参加者の状態や一般診療の都合により課題2ではデータ未取得もあり、現在までに30名程度のデータ取得が完了している。次年度以降は、対照群となる健常対象者のデータ取得を進めていく。また疾患群については介入支援の基盤にもなると考えているため、支援方略も併せて検討していく。
3: やや遅れている
今年度予定していた健常被験者のデータ取得が新型コロナウイルスの感染状況により長期間中断したため。また所属変更による遂行環境の調整に時間を要したため。
健常被験者については、コロナウイルスの感染状況を鑑みて、人材派遣会社もしくは地域のシルバー人材センターを介し早期の参加者確保を目指す。併せてデータ取得に関わる環境を2箇所に増やし、短期間でのデータ取得を予定している。
本年度も、健常被験者のデータ取得を計画していたが、新型コロナウイルスによる感染状況が改善されないため、実施機関での取得が困難であった。そのため健常被験者に対する謝金分を繰り越すことになった。またデータ解析用のワークステーションの購入も検討しているが、データ取得数が十分でないため、次年度解析時期に購入を計画している。学会等参加も予定していたが、新型コロナウイルスの感染予防のため参加を見送った。以上の理由が次年度使用額が生じた理由である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
PLoS One
巻: 17 ページ: -
10.1371/journal.pone.0279315
Neuropsychologia
巻: 174 ページ: -
10.1016/j.neuropsychologia.2022.108322