研究課題/領域番号 |
21K17534
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研究機関 | 北海道文教大学 |
研究代表者 |
白戸 力弥 北海道文教大学, 人間科学部, 教授 (60759942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 橈骨遠位端骨折 / 自動車運転 / 運転再開 / 運転シミュレータ |
研究実績の概要 |
本研究は自動車運転シミュレータ機器を用いて、橈骨遠位端骨折手術後の上肢を使用した運転能力を経時的に定量化し、安全な運転の再開可能となる時期、およびこれらに必要な手関節機能を明らかにすることである。またこれらより、橈骨遠位端骨折手術後の安全な自動車運転再開に関する客観的指標の確立を目指すことである。 今年度は研究協力機関である済生会小樽病院において、14名の橈骨遠位端骨折手術後患者に対し、運転シミュレータを用いた運転能力の経時的なデータを収集することができた。前年度、および前々年度分と合わせると、計21名のデータを収集することができた。目標の29名まで継続してデータ収集に努める。一方、比較対照群となる健常者の運転能力のデータ収集は、現在15名のままである。 現状での患者群と健常者群のデータを解析した比較結果では、運転シミュレーターによるステアリング操作の反応時間と適応性は、健常者群に比べ患者群の術後全ての時期で同等の能力であった。一方、ステアリング操作の正確性は、健常群に比べ患者群の術後1週時と2週時で有意に低下していたが、術後3週以降は健常者群と同等の能力に回復することが明らかになった.また,ステアリング操作の左右バランスも術後1週時に患者群が有意に低下していたが,術後2週以降に健常者群と同等の能力に回復することがわかった. 今後は患者および健常者の対象者数を増やすとともに、収集したこれらのデータを解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は当初の計画よりも対象者を集めることができたが、研究初期のCOVID-19の影響による研究の遅れがあり、この遅れを挽回できていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、患者群および比較対照群である健常者群のデータ収集を進める。COVID-19が5類感染症に移行後、患者群の対象者数も増えてきている状況である。データ解析も同時に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れにより、被験者研究協力金として支払う額に余剰が生じた。これらを次年度へ繰り越し、被験者研究協力金として使用する計画である。
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