研究実績の概要 |
国内トップクラスの大学女子駅伝部に所属する女子長距離走選手のうち同意を得られた18名を対象(前年度との縦断11名)とし、5月(シーズン開始時)、7月(合宿前)、9月(合宿後)、11月(大会期)と調査を行った。調査項目は、昨年度同様自記式アンケート調査で月経周期・走行距離・疲労骨折の既往、体組成、血液検査により女性ホルモン(LH, FSH, エストラジオール)、甲状腺ホルモン、骨形成マーカー(BAP, total P1NP)骨吸収マーカー(TRACP-5b, NTx)、骨質マーカー(ペントシジン, ホモシステイン)とした。さらに初回の調査では尿検査によりエクオールを評価した。 エストラジオール20pg/ml未満であると疲労骨折のリスクが高くなるといわれているが、12名(63.2%)が該当していた。調査期間中に疲労骨折を生じた選手は認めなかった。エクオールの平均値は2.5±6.1μMであり、エクオール産生能が低値とされるエクオール1.0未満の対象者が12名(63.2%)をしめていた。 現時点においては対象者の骨密度の調査ができていないこと、またまだエクオールと骨代謝の関連を評価するには対象者が不十分であること、また縦断調査が十分にできていないが問題である。さらに疲労骨折を生じた選手がいないため、比較研究ができていない。本集団を対象に次年度以降も縦断的に調査すること、また対象者数を増やすことが重要と考えられる。
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