本研究の目的であるPdgfrb+/-マウスの神経血管ユニットに対する慢性的な運動効果を評価する上で適した条件を現在も検討中である。情動や認知機能に対する成体Pdgfrb+/-マウスの表現型を確認するために、不安やうつ様行動、恐怖条件付け試験などを含む行動テストバッテリーを課したが顕著な差は見られず、拘束ストレスや慢性予測不能ストレス(CUMS)などのストレス負荷によっても有意な行動変化は見られなかった。そこで、現在は老齢のPdgfrb+/-マウスを用いて加齢による影響と、炎症モデルとして用いられるlipopolysaccharide (LPS) の腹腔内投与 (0.5mg/kg) の影響を検討しており、老齢マウスはオープンフィールドテストや高架式十時迷路テストで評価される不安関連行動が強い傾向が見られている。また、LPS投与実験では、LPSに対する耐性が週齢依存的である傾向が見られ、引き続き検討を行っている。
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