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2021 年度 実施状況報告書

運動トレーニングはなぜレジスタンス運動後における血管内皮機能の低下を予防するのか

研究課題

研究課題/領域番号 21K17553
研究機関中京大学

研究代表者

森嶋 琢真  中京大学, 教養教育研究院, 准教授 (60771706)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードレジスタンス運動 / 血管内皮機能 / 一酸化窒素 / 硝酸塩
研究実績の概要

本テーマの最終目的は、運動トレーニングはなぜレジスタンス運動による血管内皮機能の低下を予防するかを明らかにすることである。この点に関して、アスリートにおける一酸化窒素(NO)の高い生物学的利用能は、運動トレーニングがレジスタンス運動に伴う血管内皮機能の低下を予防する主要なメカニズムの1つである可能性が指摘されている。このことが正ければ、運動トレーニングを継続していない一般成人であっても、何らかの方法で一時的にNOの高い生物学的利用能を獲得した状況を作り出すと、レジスタンス運動をしても血管内皮機能は低下しない、という仮説が成り立つ。そこで当該年度では、一般成人を対象に、NOの生物学的利用能を高めることで知られる硝酸塩サプリメント(ビートルートジュース)を摂取した後におけるレジスタンス運動が血管内皮機能に及ぼす影響を検討する予備実験を行った。
健康な成人男性1名を対象とし、(1)プラセボ条件(2)硝酸塩サプリメント条件を設け異なる日に実施した。運動の前後において、上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(Flow-mediated dilation: FMD)および血圧を測定した。その結果、いずれの測定ポイントにおいても、血圧の応答に条件間で差は認められなかった。一方、プラセボ条件では運動後にFMDが低下した(血管内皮機能が悪化した)が、硝酸塩サプリメント条件では同様の応答はみられなかった。
以上の結果から、一般成人であっても、NOの生物学的利用能を高めるとレジスタンス運動後に血管内皮機能が低下しないことが示唆された。このことは、運動トレーニングが持つレジスタンス運動後における血管内皮機能の低下予防効果には、NOの生物学的利用能が関わっている可能性があることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度は、一般成人を対象として、NOの生物学的利用能を高めた状態におけるレジスタンス運動が血管内皮機能に及ぼす影響に関する研究の予備実験を行うに留まった。この理由として、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実験の実施状況が制限されたことが挙げられる。また、研究者の所属変更に伴い、新たな環境での実験系の立ち上げに時間を要したことなどがある。
一方で、そのような状況下であっても、予備実験を行い、次年度に繋がる一定の成果を得ることができた。したがって、次年度からは当該研究の進行を加速させ、一層の成果を生み出すことができると考えられる。

今後の研究の推進方策

当該年度において、新たな環境における実験系の確立をすることができた。今後は、この実験系を用い、当該年度に行った予備実験の被験者数を増やしていく(最大15名までを予定)。また、夏頃には、アスリートと一般成人を比較する研究を実施するなど、本研究の核心に迫る実験にも着手していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Impact of a single bout of resistance exercise on serum Klotho in healthy young men2021

    • 著者名/発表者名
      Takuma Morishima and Eisuke Ochi
    • 雑誌名

      Physiological Reports

      巻: 9 ページ: -

    • DOI

      10.14814/phy2.15087

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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