研究課題/領域番号 |
21K17558
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
鈴木 啓央 龍谷大学, 経済学部, 講師 (00734758)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 運動学習 / 個人差 / 学習の仕方 / 動作パターンの探索 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,複数種の運動課題や,運動課題と認知課題を同一の学習者が学習していく過程を観察し,課されている課題を直ぐに上手にこなすことができる人とそうではない人との相違を明らかにすることである. この目的に対して,現在では人が学習していく過程を具に観察し,特に学習過程の個人差に焦点を当て,研究を実施してきた.この一つの取り組みとして,本年度では,キャスターボードを乗りこなせることができるようになるまでの学習過程を動作解析を用いて分析し,学習過程に個人差が生じる要因を検討してきた.その成果として,学習者が学習初期にどのような動作を用いて学習をし始めるか,もしくは,学習過程においてこれまでの動作をどのように変化させるかという2つの要因が学習過程に個人差を生じさせることが明らかになった.本年度は,この成果を国際誌において論文化するため,準備を進めてきた.現時点では分析も終了し,近々に投稿する予定である. 上記と同時並行し,本年度はビデオカメラを用いた動作解析の妥当性の検討も行なった.上述したような人の学習過程を研究する場合,データ取得のための実験が長期にわたり,そのデータも膨大になることがあり,より簡易的に動作の変化を分析する手法を用いる必要がある.これに対する一つの取り組みとして,ゴルフ動作を対象に,AIによる動作検出システムを用いた簡易的な動作解析の有用性を検討した.この成果は,国際誌に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度では,キャスターボードを乗りこなせることができるようになるまでの学習過程を動作解析を用いて分析し,学習過程に個人差が生じる要因を検討してきた.この分析に対して前年度まではクラスター分析を用いて分析してきたが,分析上の問題点が明らかになり,再度分析を行なった.その分析に時間を要し,本年度における投稿には至らなかったが,その分析も現状では完了し,2024年度早々に国際誌に投稿予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度では,上述した研究を論文化する予定である. 同時に,運動課題および認知課題を同一の学習者が学習する過程を比較検討するための実験の準備を実施する.具体的には,運動課題としてダーツ動作,認知課題としてパズル課題を採用し,同一学習者がこれら2つの課題を学習していく過程やその学習速度を比較検討する.実験機材や実験参加者の選定など実験を進めていく環境は整いつつあり,より迅速に研究を推し進めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度では現在の研究成果を発表するために国際学会に申請していたが,個人的な事由により参加を見合わせた.そのため,2023年度に予定していた旅費などを使用することがなく,2024年度使用額が生じてしまった. 2024年度は国際学会,国内学会ともに積極的に参加し,また,論文も投稿予定であるため,それらの費用として使用する予定である. また,2024年度に始める新たな実験のための謝金や物品費として使用する予定である.
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