本研究の目的は、間葉系前駆細胞特異的に、アンドロゲン受容体を欠損させたマウスを作出し、その表現型を解析することである。まず、間葉系前駆細胞特異的AR欠損マウス(PDGFRα-CreER;ARf/y)を作出した。しかしながら、定常状態における骨格筋では、重量、筋線維数・サイズともに差が見られなかった。また、骨格筋組織内で脂肪細胞を誘導するため、高脂肪食を投与した。しかしながら、体重、筋重量、内臓並びに皮下脂肪量、骨格筋内脂肪量ともに、差が見られなかった。以上の結果から、間葉系前駆細胞でのアンドロゲン受容体の機能は、定常状態ならびに脂肪誘導状態の骨格筋に対して、限定的である。
|