| 研究課題/領域番号 |
21K17569
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| 研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
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研究代表者 |
亀井 誠生 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (20838825)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| キーワード | post-error slowing / post-error accuracy / error related negativity / RSI / theory of intelligence / PEBA |
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| 研究実績の概要 |
暗黙の知能観理論では，能力は可塑的で努力や経験によって成長させることが出来るという信念（GM）傾向の者は，失敗を成長の糧や機会と捉え努力に帰属し，立ち直るためのモチベーションを高めること，能力は生得的で固定的であるという信念（FM）傾向の者は，失敗を能力不足に帰属し，挑戦を諦め無力感に囚われる傾向が高いことが報告されている．一方で，スポーツ場面で求められるような失敗からの正確かつ素早い切り替えにGMが及ぼす影響は明らかではない．
本研究では，反応刺激間間隔(RSI)を小（200 ms）と大（1000 ms）に操作したフランカー課題を作成し，GMが，連続した失敗を避ける能力（post-error accuracy: PEA）や失敗後の反応時間の延長（post-error slowing: PES）に及ぼす影響について検証した．
令和5年度は，PESの算出方法について検証を重ねた．PESは，反応時間のrawデータ（ms 単位）から算出する場合と，個人内で標準化（mean = 0, SD = 1）した後に算出する場合では行動調整における意味が異なることがわかった．具体的には，標準化することでPESと知能観やPEAとの関連（個人差相関）は強くなった．これはPESのような行動調整の程度を示す指標はそもそもの個人差が大きいために，心の理論の研究を進める上では能力（先天的に備わる脳機能）からできるだけ分離できるような工夫が必要なことを示している．この結果は，反応時間研究における正答率や反応時間の個人差の解釈を行う上で重要な知見であり，心理モデルの適合度の確保に活かすことができる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の所属機関の移動（転勤）に伴い、機材や対象者、職務内容の変更が求められたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在99名の有効データを確認しており、予定する多変量解析を実施することができる。最終年度 のため、成果公表に向けてデータ分析、執筆を続ける。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
都合のつく日程の国際学会が開催されなかった。また、令和5年度はアンケート調査でデータの追加を行ったため、人件費・謝金の使用がなかった。最終年度 のため、成果公表に向けて、英文校正および出版費用、学会参加費用に利用する予定である。
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