高体温によって起こる循環応答や心機能変化に着目し、局所・深部の体温変化による影響や他の生理応答との関連を検討した。その結果、局所温度上昇は心機能に対して強い影響を持たない一方、深部体温上昇は左室収縮・拡張機能の亢進を引き起こし、この心機能亢進反応には換気量、有酸素性代謝、血液量等の変化やそれらの関連因子が関与する可能性が示された。また、これらの応答はいずれも高体温時の心拍出量の応答パターンとは異なることが明らかとなった。さらに、血液の流体力学的特性を踏まえた検討を行った結果、高体温時の心拍出量増加反応には局所温度上昇に伴う末梢血の流速や運動エネルギーの増加が関与する可能性が示された。
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