研究実績の概要 |
2022年度は2021年度に開発した新規培養細胞手法を用いて、骨格筋疾患患者iPS由来筋管細胞とその遺伝子修復株iPS由来筋管細胞を培養し、一軸性の受動伸展(20%)を与え、細胞損傷に関連した指標の変化を解析した。 その結果、修復株に比べて筋疾患株では受動伸展後に培養液中におけるCK, LDH, ASTなどの筋逸脱酵素が増加することが明らかになった。また、DystromiRとして知られるmiRNA-1, -22, -30a, 95aが受動伸展後の培養液中で増加が見られた。さらに、修復株に比べて筋疾患株では受動伸展後の筋管細胞中でサルコメア修復関連遺伝子であるXIRP1, FLNC, PGM5の遺伝子発現が増加することが明らかになった。また、受動伸展後の筋疾患株ではネクロトーシス関連遺伝子であるRIPK1の遺伝子発現が増加していることが明らかになった。 これらのことから、細胞損傷のセットポイントを明らかにするために解析すべき分子の絞り込みが行えた。
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