研究課題/領域番号 |
21K17595
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
峯田 晋史郎 大阪体育大学, 体育学部, 研究員 (70850832)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 足関節内がえし捻挫 / アスレティックリハビリテーション / コンタクト / 慢性足関節不安定症 |
研究実績の概要 |
足関節内がえし捻挫は、受傷後7年以上経過していても約1/3の患者に足関節の痛みが残存することや、変形性足関節症の発症タイミングを早めることが報告されており、将来のQOL低下を引き起こしうる傷害である。また、受傷直後から1年半以上経過していてもバランス能力が低下していることや神経学的、運動学的に動作特徴が変化すること、片足でのホップ動作などの運動パフォーマンスが低下することが知られており、予防が重要な傷害であることは明らかである。 我々はすでに内がえし捻挫の内76.7%が認知負荷もしくは接触を伴う動作時の受傷であることを示した。しかし、これまでに多くの予防のための知見が明らかにされてきたが、これらの研究のほとんどは対戦相手との接触や認知負荷を伴わない状況での受傷を想定されており、接触や認知負荷を伴う動作時の内がえし捻挫受傷予防のための知見はほとんど存在しない。身体接触の際には、足関節には外反筋力だけで制動できないほど大きな内反トルクが作用するため、外乱時にはどのように足関節の安定性を向上させているかを解明することは身体接触を伴う動作時の捻挫受傷予防に大きく貢献する。また身体接触のような高強度の外乱時には、事前に力を入れて安定性を高めるようなフィードフォワード制御が特に重要である。しかしながら認知負荷が加わると、このフィードフォワード制御が損なわれることも示されている。そこでスポーツ実施時のように認知負荷が加わっている環境下での足関節安定化メカニズムの解明も必要である。 そこで本研究では、まずは高強度の外乱を加えた際の足関節の安定化メカニズムを解明し(研究①)、次いで認知負荷が外乱に対する足関節安定化メカニズムに与える影響を解明する(研究②)。その後足関節の安定性向上を実現できる介入方法を確立し(研究③)、最終的に実際にスポーツ現場で介入を行い、予防効果を検討する(研究④)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定自体は終了し、解析を実施中である。解析用のソフトが毎年ライセンス料を支払い、更新が必要なものであるが、今年度より所属機関が変更になり現在まだ経費執行ができない状況であるため解析が一時中断している。執行可能な状況になり次第解析を再開することが可能であるため、特段大きな問題ではないが、解析が完全に終了していないため若干計画からは遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は認知負荷が足関節安定化メカニズムにどのような影響を与えるかを解明することを目的に実施する。経費執行が可能となり、ソフトウェアのライセンス更新が完了次第並行して前年度分の解析を進めていく。 測定及び解析は秋ごろを目安に完了させ、解析結果をもとに次年度実施する介入トレーニングの検討、考案を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定だった学会がオンライン開催になったため、使用する予定であった旅費の分の差額が生じた。 この差額は筋電図計測用のディスポーザブル電極などの消耗品に充てる予定である。
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