研究課題/領域番号 |
21K17609
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
遠藤 華英 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (70876193)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 開発と平和のためのスポーツ / 発展途上国 / 障害者スポーツ |
研究実績の概要 |
エリートアスリートの活躍は,その国の社会や個人に対して様々なアウトカムをもたらすとされる.この観点から,国際競技力を高め,国際競技大会においてメダル獲得が期待されるアスリートが創出する社会的影響について科学的検証が段階に進められてきた.途上国出身のアスリートが国際競技大会で活躍することは,平和構築や青少年への好影響など国家が抱える社会課題と密接な形の期待が寄せられているしかし,実際に途上国住民自身がエリートアスリートに対してどのような社会的価値を抱いているのか科学的検証はなされていない.そこで、本研究は途上国においてアスリートを育成する社会的価値を可視化するために、アスリートおよび周辺の人々・地域社会という複数の視点からアプローチを試みる。今年度は、エリートアスリートの育成過程を詳細に理解するために、障害のあるアスリートを対象に、彼らがこれまでどのような制約要因(コンストレイン)を認識し、またどのような要因がその制約要因を解除してきたのか、ライフストーリー分析を行った。調査はタイ、およびラオスで行い、インタビュー調査から音声データを収集した。ラオスにおいては、調査対象を女子選手に限定し、二重のマイノリティと呼ばれる障害のある女性の視点から回答を得た。収集した音声データから逐語禄を作成し、質的分析を行った。分析結果は次年度の国際学会にて発表予定であり、また論文として執筆し、学術誌への投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アスリートを対象とした調査は順調に進んでいるが、社会調査を実施するためのフィールド選定に難航している。
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今後の研究の推進方策 |
タイ、ラオスの住民を対象とした調査を実施する体制整備を進める。住民を対象とする調査の場合はカウンターパートの協力が不可欠であるため、万全な協力体制を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大規模な社会調査を実施しなかったため多額の経費を必要としなかった。繰越予算は、論文を投稿した際の掲載料等に充当することを検討している。
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