研究課題/領域番号 |
21K17613
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
齋藤 輝 九州産業大学, 健康・スポーツ科学センター, 助教 (90758591)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 柔軟性 / 足関節 / 受動トルク / 末梢神経刺激 / 相反抑制 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、拮抗筋への電気刺激と静的ストレッチングの組み合わせが足関節の柔軟性に及ぼす影響を明らかにすることであった。まず、拮抗筋の制御機序である相反抑制の強さを操作する実験を行った。対象者の前脛骨筋の支配神経である深腓骨神経に20分間の電気刺激を与えた。電気刺激は相反抑制を促進するパターン刺激と相反抑制に影響しない一定間隔刺激の2条件とした。電気刺激の前後で、ヒラメ筋の相反抑制の強さを計測した。相反抑制の強さは、深腓骨神経の条件刺激とヒラメ筋の支配神経である後腓骨神経の試験刺激を0-5ミリ秒の間隔を空けて行い、試験刺激による脊髄反射の減衰で相反抑制の強さを評価した。試験刺激によるヒラメ筋の脊髄反射をM波最大振幅の20%を目安に設定し、電気刺激強度を調整した。パターン刺激はヒラメ筋の相反抑制を有意に促進し、一定間隔刺激は相反抑制を有意に減衰させた。 次に、拮抗筋への電気刺激と静的ストレッチングの組み合わせが足関節の柔軟性に与える影響を調べた。対象者の深腓骨神経に20分間の電気刺激を与えた後に3分間の静的ストレッチングの介入を行った。介入の電気刺激の条件は、パターン刺激、一定間隔刺激、刺激のない3条件とした。介入の前後に等速性筋力測定器を用いて毎秒1度の回転速度で足関節を背屈させ、足関節の柔軟性を計測した。足関節の柔軟性は、足関節の最大背屈角度、受動トルクの傾き、最大背屈角度での受動トルクで、それぞれ足関節の可動域、筋腱複合体の硬さ、痛みの閾値を評価した。3条件ともに足関節の可動域を有意に拡大させた。パターン刺激と一定間隔刺激は、最大背屈角度での受動トルクを有意に増加させた。以上の結果から、拮抗筋への電気刺激は足関節の知覚的な柔軟性を向上させることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2年間で行う予定であった実験計画の大部分を初年度で終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に実験計画を大きく進捗することができたため、当初の予定より早く実験を完了することができる見込みである。そのため、今後は研究成果の発表に注力する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品類は予定通り購入したが、学会等がオンライン開催となったため、今年度は旅費を使用しなかった。旅費は次年度以降に使用する予定である。
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