研究課題/領域番号 |
21K17614
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
八田 直紀 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 助教 (10881089)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 大学生アスリート / 社会性と情動の学習 / キャリア・トランジション / ウェルビーイング |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生アスリートから社会人へのキャリア・トランジション後におけるウェルビーイングの促進を意図した、社会性と情動の学習(SEL)プログラムの開発である。現在までに、キャリア・トランジション後の新入社員としての元大学生アスリートを対象とした量的調査の分析を行い、ウェルビーイングを規定する要因について検討を行った。 分析の結果から、大学在籍時の大学生アスリートとしての社会性・情動コンピテンス(SEC)における「関係づくりスキル」は、就職後の良好な他者関係に好ましい影響を与える点や、SECの「社会への気づき」は職場満足感に影響することなどが示唆された。また、大学在籍時のスポーツ場面以外の積極的な行動が、就職後のウェルビーイングに幅広く影響することも推察された。さらに、元大学生アスリートの中でも、スポーツ推薦制度を利用して入学した学生については、就職後の良好な他者関係の構築に困難を抱えやすい傾向にあることが考えられた。この結果を受けて、次年度にさらなる調査を実施するための質問紙を作成した。 介入プログラムの開発に先立ち、各大学の大学生アスリートの支援状況および先進事例について、文献を中心に調査した。これらも参考にしながら、次年度には介入プログラムの素案を作成する予定である。さらに、4年生の大学生アスリートを対象に介入プログラムを実施するために、協力団体との綿密な打ち合わせを可能な限り早期に行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染症の影響もあり、大学の競技スポーツ団体において調査を実施することが困難であった。サンプルサイズを確保することに、多大な時間を要している状況にある。しかしながら、介入プログラムの構築に向けた基礎資料の収集等を前倒しで実施した。
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今後の研究の推進方策 |
調査を依頼しやすい社会状況になり、調査可能な団体や個人も増えてきたため、引き続き調査を継続する。また、インターネット調査も併用することで、量的分析に耐え得るサンプルサイズを確保する。次年度より、研究成果の公表を積極的に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の影響を受け、調査を円滑に進めることができず、調査やその成果発表に関わる旅費を使用しなかった。また、インタビュー調査データの書き起こし等に生じる人件費や謝金を使用しなかった。次年度は複数の調査を実施予定であり、学会等で研究成果の発表も行う。
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