研究課題/領域番号 |
21K17617
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
笠井 信一 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ研究部, 契約研究員 (60845874)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 低酸素 / 高強度運動 / 動脈血酸素飽和度 / 低酸素トレーニング / スポーツ科学 |
研究実績の概要 |
研究代表者は、低酸素トレーニングが運動パフォーマンスを改善させること、骨格筋内のエネルギー基質量を増加させることを明らかにしてきた(Kasai et al. 2015, 2017, 2019, 2021)。さらに近年、低酸素トレーニングの推奨プロトコールも示されたが、トレーニング時における至適な酸素濃度までは明らかにされていない。そこで、動脈血酸素飽和度(SpO2)を考慮した低酸素環境下における運動・トレーニングが無酸素性能力の改善に及ぼす効果を明らかにし、SpO2を用いた効率的な低酸素トレーニングプログラムを新たに提案することを目的に研究を実施してきた。 今年度は、低酸素環境下でのスプリントトレーニングにおける筋代謝応答を明らかにすることを目的に実験を実施した。球技種目選手8名を対象に、自転車エルゴメータを用いた高強度運動を低酸素環境下(酸素濃度14.5%、標高300m相当)において、週3回・2週間のスプリントトレーニングを実施した。運動は、スプリント運動(6秒間全力ペダリング × 5セット、セット間休息30秒)を実施した。これらの運動を1セッションとし、10分間の休息を挟んで3セッション実施した。トレーニング期間前後において、スプリントテスト(6秒間全力ペダリング × 15セット)を実施し、骨格筋内の血流量および酸素消費量を測定した。また、炭素磁気共鳴分光法を用いて骨格筋内のグリコーゲン量を測定した。その結果、最高パワーおよび平均パワーは、トレーニング期間前後で有意に増加した(P < 0.05)。骨格筋内の血流量および酸素消費量は、トレーニング期間前後で有意に増加した(P < 0.05)。その他のパラメータは、現在解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採用1年目(令和3年度)に予定していた実験(研究課題:低酸素環境下での高強度トレーニングが筋代謝応答に及ぼす影響)を一部終えることができた。感染症拡大により予定していた被験者数に至らなかったため、追加で実験を実施する予定である。その後、解析が終了次第、論文執筆を進めていく。また、令和4年度に実施する研究の予備実験も進めており、概ね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、昨年度実施した研究の追加実験を行う予定である。また、低酸素スプリント運動後における筋代謝応答の経時的変化を検証する予定である。無酸素性能力の改善をねらいとした低酸素トレーニングプログラムの開発に向けて研究を推進していく。本実験は、今秋・冬(9~12月)の実施を予定している。また今後は、採用1年目(令和3年度)に実施した研究成果を国内・国際学会で発表するとともに、国際誌への投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
採用1年目(令和3年度)は、感染症拡大により実験の実施および被験者の選定が困難な状況であったため、当初計画していた測定機器の購入額等を減額した。採用2年目(令和3年度)は追加実験の予定しており、運動時に吸入することのできる低酸素発生機器の購入を予定している。今年度は、比較的大規模の介入研究となるため、当該助成金と併せてより良い研究にしていきたい。
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