研究課題/領域番号 |
21K17620
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲垣 和希 筑波大学, アスレチックデパートメント, 研究員 (80895730)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己調整 / 学校教育 / 保健体育 / ICT教育 / 個別最適化 |
研究実績の概要 |
本申請研究の目的は、子どもの個性と状態に応じた心身の自己調整のためICT教育プログラムを開発することである。本プログラムの開発にあたり、子どもが各自の状態に応じて心身の自己調整ができるように、あらかじめ効果エビデンスが確認された「心身の自己調整法」を複数開発し、プログラム内で各自が調整法を選択し、実施できるようにしておく必要がある。そこで、申請研究期間初年度のR3年度は、当初の計画通り、学校現場で実施可能な心身の自己調整法の開発を行なった。検討した調整法は、マインドフルネス瞑想、ボディスキャン、ヨガ、体ほぐし運動、クッション運動、Gボール運動、ダンス、インターバル運動であった。自己調整法の前後で、二次元気分尺度による心理状態の測定を行なった。なお、自己調整法の開発は、一般体操の専門家との協議の上で行ない、学校現場で導入しやすい様式にした。結果として、マインドフルネス瞑想法、ボディスキャン、ヨガ、体ほぐし運動において大きな「リラクセーション効果」が確認され、一方、クッション運動、Gボール運動、ダンス、インターバル運動において大きな「アクティベーション効果」が認められた。また、いずれの自己調整法においても「快適度」の向上が確認され、対象者が不快感を伴うことなく実施が可能であり、安全性の面からも有用な自己調整法であることが示唆された。本年度の成果により、次年度以降の心身の自己調整プログラム開発において必須となる、学校現場において短時間で、かつ、簡便に実施可能な自己調整法の効果エビデンスを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は教育プログラムに組み込む自己調整法の開発をすることができ、順調に研究が進んでいる。また、R4年度に心身の自己調整のためのICT教育プログラムを提供する自治体及び学校とも連携を進めており、円滑な実施が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ICT教育プログラムの開発を依頼する業務委託先の選定とICTプログラムの開発を進めるとともに、実施自治体及び学校との連絡を密にとり、実施の詳細なスケジュールを決定していく。今後のスケジュール予定:6月)ICTプログラム開発委託先決定、仕様書の作成、開発スタート。7月)教育プログラムの全体設計と実施校との打ち合わせ。9月)保護者、生徒への説明及び承諾を得る。11月)プログラムスタート。1月)結果の分析。2月結果のまとめと報告。
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